ミュッシャその時
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装飾に過ぎるデザイン性
けれどそれは
写実的にして正確なデッサンから起こされた
フォルム。

2次元と3次元を交錯させ
他を寄せ付けない場へと創り上げられた
ミュッシャの描く世界。

今に通じる
普遍性を備えた魅力で
一世を風靡したパリ時代を経て

その後、

祖国チェコの古城に籠り
命を削る様に
没頭した作品。

”スラブ叙事詩”

その思想
臨場感
メッセージ性。

作品のベクトルは一変したように
映っても
矢張り
ミュッシャそのひとの
ものなのだ。

大きく
相反しながら
不思議と響き合う
ミュッシャの紡ぎ出す空間と空間。

今だから
感じたい
ミュッシャの世界観。

























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【 2017/04/28 08:35 】

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セザンヌその愛~ゾラ
DSC_0099_20170415164538be4.jpg

文豪ゾラの作品群のなかに
“制作”があります。

ゾラの学生時代の不遇に
手を差し伸べた旧友セザンヌ。

その後の自身の成功をよそに
世間から酷評される彼の才能を
誰より信じ…

恐らく、ゾラなりにセザンヌの行末を
慮ったからこそ着手したであろうこの小説。

セザンヌもたぶん、それを解しながら
どうしても許せなかったのが
主人公の画家クロード
その悲劇的結末だったんですね。

“親愛なる”ゾラへ
その配慮に感謝する
としながらも
距離を置いたのはセザンヌ。
(ゾラのブルジョア趣味も影響して)
すれ違うふたりの友愛

二度と交わることのない時間。

人間関係とは得てして
そんなものかもしれませんけれど(涙

取り分け
セザンヌが描き続けた
あの林檎
それは、ゾラとの友情の証
でもあったんですね…。


         *


敢えて
みずみずしさを描かないセザンヌの
静物への眼差し。

それらが内包せし
太陽、雨の恵みへの思い、にまで
寄り添う豊かな心。

そしてセザンヌの多視点。
ひとが描くことでしか表現できない
優しさを醸し出させる
自然への配慮。

時に
そこには
温もりさえふくまれて…。

ルーブルから
自然を呼び醒した セザンヌ。

山々が
樹々が
果物が
細々した日用品の数々が
光と翳が
響き合う世界。

色彩の融合。

紡ぎ出される調和。




































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【 2017/04/17 08:51 】

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想像力が支える藝術作品
P1150367.jpg

芸術作品が正しく存在するのは
それが現実的知覚にではなく
想像力に訴える場合だという
サルトルの論を待つまでもなく

奥行きのある
鑑賞こそが
作品の存在価値を高める
というのは誰しも
異論のないところでありましょう。

例えば
小説で云えば
何が書いてあるかでなく
いかに書いているか
といったような・・・。

要は
当該作品を内部から支えている
藝術的構造なんですよね。

想像力によって
表現されたるそれを
受け手の想像力を以ってして
再生することによる
鑑賞。

それが
内的構造を理解せしめ
より深い感動と
余韻を齎すということになるんですね・・・。



















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【 2017/03/22 21:29 】

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絵画と音楽のケミストリー
20170218184458b16.jpg

休日の昼下がり
手早く家事を済ませ
食材の買い物
帰りに元町のカフェで束の間の休息

大き過ぎるほどのカップに
たっぷり注がれた
アールグレイの香りのなかで

手元にあった画集を開いた

店内に流れるアンニュイなBGMが
彼の描出する色彩
デフォルメされた情景
と混ざり合い不思議な
融合を魅せる

この感覚はなんだろう
新たなケミストリー。

日々僅かな時間を見付けては
木洩れ陽、光る雲、そよぐ風
自然のなかに身を置くこと
それが最上級のしあわせと願う私が

彼の世界観に嵌まって
身動きできない
自然にない情感が此処にある
空気に色が備わり
昼と夜の狭間が揺れるこの臨場感

ひとが描き出す絵画は
言葉では説明不可の
底知れない印象を齎らすようで

アンニュイな旋律が
それを引き出し
表現者の想いに想いが重なり
小さな共振が次第に大きくなり
心の琴線を震わせる…

生の充実感は
こんなところにも潜んでいるようだ。



















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【 2017/02/19 16:07 】

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Objet


美術の分野
取り分けダダイズム、シュルレアリスムで
多様される
フランス語 Objet

故に英語objectより
ポピュラーな言葉になっているようですが

こちら
唯物論的眼差しで
すべての存在を
区別せず同等に見傚し
ただ美という観念でのみ
対象を見詰める・・・
そんな藝術的概念に繋がる言葉でもありまして。


           *


そして・・・屋内はもとより
ひとの手による創造物でありながら
自然のなかにあって
なお映える彫刻
そうした作品群が
確かに存在しているのもまた
事実のように感じています。

個人的には断然自然派で
大自然のなかにあっては
可能な限り人工的なものを排除したい
一方で
理屈抜きに感性に訴えてくる藝術的美

例えば美しき建築
例えば美しき彫刻

或る卓抜した才能の結晶が
そこで
自然とはベクトルを異にする
美を放っているのを
国内外で幾度も目の当たりにして参りました。


           *


人生は長いようで短いですから(笑)
あらゆる機会を汲み取って
小さなオブジェをも
存分に楽しんで
少しでも豊かに
心地よい時間を重ねてゆきたい
そんなこと思っています。





























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【 2017/01/26 08:30 】

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光の多重性
IMG_5370.jpg

絵画において
ルネサンス以前の中世の光は
精神的な高みの象徴のようであり
生命の源泉でもあった訳で
光は神と同一視されていたように
見受けられます。

そこから
印象派以前までは
ダヴィンチの絵画論が如く
”陰翳”を軸にした光
その空間表現
明暗法であり

そしてそれ以降なんですよね
今日の様に
色彩の光として
純粋に
光と戯れることが
かなったのは・・・。
















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【 2016/09/20 20:25 】

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人間の精神史と絵画~ラファエロ・サンティ~アルブレヒト・デューラー
IMG_3503.jpg

古典...古代神話に始まる
人類の精神史。
それは
破壊的チカラに抗し
正義へ向う建設的努力
その闘争という見方がひとつできるかと思うのですが
(こうした視座で歴史を眺めることは
言葉にならない力も貰える・・・
私はそうしたところも好きなんですけれど)

例えば
ピュートンに対するアポロンしかり
ヒュドラに対するヘラクレスしかりで

それを
聖書に目を移してまいりますと

この主題は
現世的虚無主義に対するミカエルの戦いに
投影されてくるんですね。

”恐怖の象徴”との闘争
それが
ヨハネの黙示録・・・。

こちらは
多くの作家にインスピレーションを与え

結果
(よりよく生きる為の姿勢は)
キリスト教美術の世界で
多彩な表現を獲得しています。

その極みが
ラファエロであり
デューラーのそれであったかと。

(南欧と北欧で比しても
やはり環境が過酷となる
北側のほうが
その表現が厳しくなる
そんな
傾向が見受けられもしますが)

生を見詰める眼差しは
時代を超えて
私たちに勇気を
与え続けてくれているようです。














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【 2016/08/01 09:09 】

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美とは・・・哀しみが創るもの


向き合ってきた美しき絵画、彫刻、
音楽、文学・・・
其処に
翳りのない美などあっただろうかと
そんなことを考えています。

そもそも
翳りのない美など存在し得るのでしょうか。

哀しみを知らないひとが
真なる美を感じられるのでしょうか・・・。


          *


あらゆる意味で
ひとは不確実性を生きる他手立てがないんですよね・・・。

その不確かさを
愛することができなければ
どこまで行っても
何かに怯えて暮らさなければならない。

限られた時間である以上
少しでも穣に
時を重ねたい
ならば
不確かさを愛して
今、此処に在る美を最大限享受したい
そんなふーに思っています。













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【 2016/04/18 00:12 】

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ホッパーそして佐伯、ユトリロ、ブラマンク・・・ゴッホへ
KIMG1311 (2)

写真では切り取れない
見慣れた情景を
支配する
寂寥 
憂戚
愁傷
そうした瞳に映らない
孤独を
描くひと
ホッパー。

ゴッホとは異なる
世界観にありながら
通底する脈動

ユトリロしかり
ブラマンクしかり
佐伯しかり

祈りにも似て
探し求め
それでも
辿り着けない場所

対峙するひとの
こころを捉えて離さないのは
想いが重なるから

それは時に信じること同義で
どんな哀しみの淵にあっても
希求する限り
永遠性を湛える
だからこそ
惹き付けられるものでしょうか。




















































































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【 2016/03/27 21:19 】

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ロダンの創造~リルケの詩(うた)     
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作者はフランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン
タイトルは”大聖堂

優しさのヴェールを
纏ったかのようにも映る
この作品
その存在感。

そして
この手は
ひたむきに丁寧に
日々の仕事を
成してきたひとの手のように見受けられる。

互いに慈しむように
向き合い
今にも重なり合いそうな
右手と右手

しかし実はふたり
触れ合っては
いない。

私的には
触れ合えそうで合えないその
緊張感と
ふたりの手と手の間の
僅かな空間に包まれた安らぎ
その対照性に
計り知れない美を感じてならない。

見えない
にもかかわらず
その空間に息衝く
確かな信頼とぬくもり。




         *




そして
彼もまた
自然を原泉とした
偉大なる芸術家で

詩人リルケの手紙には
この作品に纏わる
ロダンとのアトリエでのダイアローグが記されてる。

ロダン曰く
”是は、クレアシヨンなのだ、創造なのだ”

ロダンにとって
創造することは
とても特別なことで、
それはそのまま
自分の居場所そのものだったよう。

そして彼は自分の”創造”と
或る映画のなかの詩人の科白を
重ねあわせてもいたようだ。

ーー居場所がない
   しかし核心なる”言葉”を紡ぎ出せた瞬間
     其処が居場所となるのだーー











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【 2016/03/08 00:04 】

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鈍(にび)色の空に~サグラダファミリア/ガウディ~優しみの泉


横浜の空は鈍(にび)色
今にも泣き出しそうな
その空色に
重なる想い

視線を落とせば
足元には
ホワイトクリスマスローズ

あの泉は
こんなところにも
息衝いて・・・。

      *

かつて
サグラダファミリアが
麗しいコンサートホールになったあの日
 
フォーレのレクイエムは
魂を揺さぶるような
荘厳なる調べに変わった

他の追随を許さない
和声の響
パイプオルガンの音色

ステンドグラスを通した
柔らかにも
確かな意志を放つ光と協奏し
胸に差し込んでくる

その設計者ガウディは
見事なまでに
自然を捉え同化させたひと・・・。

      *

すべての原泉は
自然であって
絶え間なく溢れくる
優しみの泉となる

それは
いつの時も開かれ
決して
閉ざされることはない。














   






  































 


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【 2016/03/07 00:32 】

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レッシングの先に~金星そして・・・三日月
DSC_0009_2016020707231233b.jpg

レッシングを読み終えたのは
既に明け方近くで
ふと空を見上げると
南東の低空に耀く明けの明星
そしてその僅か下方左手に
月齢28を数える今にも消え入りそうな
薄い三日月・・・。

柔らかな大自然の光。

ですが
寂寥を成す蒼空に映える
金星の束の間の
あまりに束の間の
瞬きは
惑星の並びを思わせもします。

金星や水星は
夜明け前の東の空低くか
或いは
トゥワイライト西の低空に浮かぶのみ。
地球の内側を公転しているので
当然と言って仕舞えばそれまでなのですが
地球からは真夜中に
決して見えることがないんですね。
ほんの僅かな時間だけ姿を見せてくれる星たちの
あの時を愛おしむような光のとき
それはまた
胸に留め置きたい有り様でもあります・・・。



         *



レッシングの著作は
文学と視覚(造形)芸術
それぞれの限界を
ヴェルギリウス叙事詩とラオコオン群像を
主なるモデルとして考察した
比較論の古典でありまして

継起的展開せる文学に比し
後者を複数視点を同時に導き出すことに成功した
含蓄ある瞬間の選択と看做すんです。
そしてその瞬間は
鑑賞者の想像力に強く深く働きかける
と・・・。
そうした絵画性を見詰め続けた
レッシングの議論は
メディウムの峻別にまで及ぶ
極めて美学的な言説でありました。


















※済みません。雲が多く
一デジを用意している間に隠れてしまいました(涙














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【 2016/02/07 14:22 】

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ダ・ヴィンチの普遍性/モナ・リザ


先の記事で
ダ・ヴィンチの言葉
”すべての遠景は青に近づく”
に触れ
あらゆる相対的差別を認めないという
美しき視座をご教示戴いたところですが

確かにダ・ヴィンチはそういうスタンスの
哲学的偉人であったかとも思うんです。

と申しますのは
あの名画”モナ・リザ”からも
彼の強い意志が
読み取れるからであります。

謎の微笑みと称されてもいるように

憂いを含んでいるのか
安らぎなのか
或いは達観なのか

優美にあり
高貴にあり

夢見るひと
愁のひと
待つひと
・・・・・・・
あらゆる者の胸に在る想いを
混在させたか如くの
あの微笑。

ダ・ヴィンチが目指したものは
表現の高み
いずれの時代からも距離を置き
どんな思想にも流されない
普遍性ではなかったかと思うんですね。

表顕のチカラ
その礎を提示した彼
ダ・ヴィンチの偉大さは
そうしたところにもあるのかと思っています。













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【 2015/12/20 07:28 】

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すべての遠景は青に近付く Ⅴ~憂戚を越えた光/セガンティーニ
セガンティーニの空の下に

DSCN0016.jpg

アルプスの真昼
編み物をする少女
牧歌
湖を渡るアヴェ・マリア
生の泉の恋人たち
愛の結晶
生命の天使 
自然

涅槃のプリマ
冬のサヴォーニン 

セガンティーニの自然理解に
魅せられた日々。

芸術とは
感性の発露でありながら
その変遷は
形式的軌跡となって残っています。

そうしたあらゆる問題の解を
内に秘め
私たちを包み込むように待機しているもの
それを自然と呼ぶのだと
そんなことをも感じさせてくれたのは
私にとっての
セガンティーニの世界観だったのです。

その理由のひとつは
彼のそれが既に
憂戚を含んだ光でなくなり
負の感情を充分に超越した
その先の光であったから・・・。


































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【 2015/11/28 00:00 】

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すべての遠景は青に近付く Ⅳ~青の呼吸
DSCN9930.jpg

南仏蘭西はアルル
ローヌ河畔の夜空を描いた
フィンセント・ファン・ゴッホの”星降る夜”

ゴッホのgravityは
あの胸塞がるような狂おしい描線と色彩
そして尚
夜景の美しさは”夜空”にあるといったような
心の原点に立ち返らせてくれる
彼が備える真率さ。

文学館に足を運ぶと
必ずと言っていいほど
当該作家直筆原稿がガラスケースに並ぶが
(愛する文豪であれば尚の事)
間近に迫るその呼吸は私を捉え
容易に離してはくれない。

当然ながら絵画は
その肉迫するメッセージ性が
そのまま作品の魅力と同期して
対峙するものの感性を揺さぶる
そうした類の藝術であり
時に
怖くなるほどに
惹きこまれそうになって
・・・・・
そこは
贈り手の息遣いが聴こえる場所。


























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【 2015/11/27 00:33 】

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すべての遠景は青に近付く Ⅱ~哀しみの青
DSCN9931.jpg

イタリアはミラノ
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の
”最後の晩餐”は
ひとが描いたとは思えないほど
なめらかに美しい作品だ

構図も
色彩も
そのすべてが。

修道院
仄暗い食堂の
壁面に描かれたテンペラ画
キリストに纏せたあの布色
セオリー通りの青には違いない
だがはそれは
時の重みを背負った
例えようない深さを湛える
なんと優しい 
けれど
なんと哀しい青色だったろう・・・。

















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【 2015/11/24 00:12 】

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bird's eye view~ヴェネツィア鳥瞰図/ダ・ヴィンチ


鳥瞰図
所謂 パノラマ図、俯瞰図であり
上空から斜に
地上を見下ろした光景を描いたもの
なんですけれど
その眼差しに魅せられます。

美術館でなく
画集であっても
ひとたび出合うと
時間の許す限り見詰めちゃう
そうした傾向持ち合せています^^

古くは、1500年 ダ・ヴィンチの手による
”ヴェネツィア鳥瞰図”など印象に残っていますが
そもそも鳥瞰図なるもののあの立体感が
妙な臨場感を呼び起こすと申しますか
透視図法によった三次元的描画と
時にデフォルメされた表現が情感を刺激し
リアルに胸に響いてくるその不思議感覚が
好きみたいです(笑





















テーマ:暮らしを楽しむ♪♪ - ジャンル:日記

【 2015/10/04 00:03 】

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私のなかの”来るべき者”~クレーへ~maintain my composure


何気ない日常の風景
今日も
朝陽が街を照らし
緑はそよぎ
小鳥たちはさえずり
人々は行き交う

いつもと変わらない
朝の情景

ひとは誰も
ただただ安らかなるときばかりではなくて
やはり
人生とは
結構な具合に
しんどいもので
尚、私たちは
深刻な社会問題も多数抱えている

それでも
どんな状況であろうと
その先の
希望だけは見失わずにいたい

そう想うと
かつてスイスはベルン郊外のZentrum Paul Klee
あの額縁のなかに浮遊していた
クレーの”来るべき者”が胸を過る

ただ、一度きりの邂逅
一期一会
な筈だった

けれどそれは違ってた

彼は信じることを知る
すべてのひとの胸に棲み付くのだ

ひとのもつ理性(美しきもの)を見詰め
そこに信頼を寄せる者たちへ

パウル・クレーさま
あなたが描き出した
あの”来るべき者”

漸く
私の心にも棲み始めてくれたようです・・。
































テーマ:生きる力の創造 - ジャンル:学校・教育

【 2015/08/04 18:17 】

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一枚の絵画へ


出勤途上で視野に入った
横浜大桟橋に停泊する
ASUKA Ⅱを眺めながら
ふと

遙かなる海を越えて
旅してくる名画たちに想いを馳せました。

日本に居ながらにして
名画に邂逅できる
それはそれは素晴らしいことなのですが・・・

やはり
ルーブルにはルーブル
ヴァチカンにはヴァチカン
故宮には故宮
プラドにはプラド
ウフィツィにはウフィツィの作品
的なオーラが不思議とあって
(私だけの気のせいかもしれませんが(笑)
取り分け
ゴッホ、ピカソ、セガンティーニなど
作家固有の名が冠せられた美術館の作品へのそれは
一層その想いが強まります。

ですので寧ろ
ビッグネームの企画展より
今は無名の画家たちの作品を
地元(本来の居場所)の画廊で鑑賞させて戴く方が
どんなにか
共感しやすいか
ということに漸く気付いたんですね。

あくまで個人的感覚ですが
絵画に額縁との調和が大切なように
空間が作品を演出すると申しますか
もっと謂えば
美術館のある環境
さらに謂えば
そこに辿り着くまでの道程それさえ
対峙する絵画に
深層的精神的影響を及ぼさない筈もないと感じるからです。

それも含めての1枚の絵画

究極のInstallation artとして
感受したいのかもしれません。

画廊の凛とした空気は
夏によく似合います。

さて
この夏は・・・


































テーマ:生きる力の創造 - ジャンル:学校・教育

【 2015/07/31 13:45 】

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クレラー・ミュラー~ゴッホの眼差し
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オランダはオッテルロー
自然の佇まいを残す樹々たちに
溶け込むように建つ
クレラー・ミュラー美術館

一度向き合ったなら
容易にはその場から
離れられないような
gravityを感じさせる作品が
幾枚も収蔵されている
オランダ有数の美術館のひとつですが
今日は
その一枚に想いを馳せました。

それは
孤高の画家
フィンセント・ファン・ゴッホが描き出した
”馬鈴薯を食べる人たち”
1885年の作品です。

小さな灯りが
家族で食卓を囲む
慎ましい夕餉の場面を
浮かび上がらせています。

フォークやポットを握るその手は
節くれだっており
日々、真摯に農作業に勤しむ様子も伺われます。

労働者階級の清貧な暮らし
憂いや哀愁の硲に
質素、節制、節度、倹約という
ストイックにも
大地に根差した
落ち着いた精神性が伝わっても参ります。

清貧が湛える独特の美が
宗教画にも通じる
聖性を呼び覚ますことを
教えてくれたのは
まさにこの絵画でありました。

同時代
都会では、
物質文明社会が齎す
実利主義、功利主義が横行していました
ブルジョワジーの贅沢に潜む浪費
ムーランルージュに象徴される
官能、享楽。
ですがゴッホは
そうした華やかさは
人間の精神に負の翳を投げかけ
充実とは程遠い喪失感
空虚感を引き寄せることを見抜いた
そして
そうしたものへの抵抗、批判を
藝術に昇華させたものでしょうか。

誠実に日々を生き抜く
農夫たちの姿は
鑑賞する者の胸を打ちます。

描出された厳粛
それは
労働への賛美であり
人間が人間としてある上で
失くしてはならない大切なものを
掲げてもいる
そうした作品と受け止め
私は深い共感を覚えたんです・・。











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【 2015/05/01 18:38 】

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世紀末芸術  断章 Ⅶ~耽美主義、懐疑性その純粋
また、見つかった
何が
永遠が
海と融け合う太陽が

~アルチュール・ランボー

DSC_0369_20150423134940b82.jpg

世紀末芸術を
現象面で語るなら
印象派から幕開けし
フォービズムで終焉といったところでしょうか。

バタフライ・エフェクト
なんていうカオス理論があるようですが

初期条件の僅かな違いが
最終結果に大きな差を齎すっていうことは
特段、不思議なことでもないように感じます。

繁栄と衰退 
栄華と零落

俯瞰で眺めるなら
栄華、繁栄の硲には
耽美や享楽へと誘う媚薬が潜んでもいるようで
一見して対極にある様に映る
憂鬱、堕落などとは
以外に親和性が高かったりも
するのかもしれません。

耽美主義に
ダンディズム
あの懐疑性も

退廃的と云うよりは
むしろ精神の繊細さ
純粋性のこだま
のようにも感じてなりません。










テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2015/04/24 17:42 】

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世紀末芸術 断章 Ⅴ~デカダン主義者
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創造とは神の堕落なり
~退廃の美学/ボードレール

憂愁の世界に魅せられ
堕ちゆく美
その追求
隔世の感漂うデカダン主義者、
頽廃の美を奏でること
藝術至上の歩みこそが
唯一彼らの到達地点であったものでしょうか。

ブルジョワジーへの抵抗
物質文明社会における
拝金的実利・功利主義
時にモラルや常識への
アンチ・テーゼを通じて
偽善を暴き
無為、刹那を漂流する

そのレーゾン・デートルは
負なる情熱
美の酩酊
至高の世界。

彼らを
”新しき戦慄の創造者”として称えたのは
なんと
かのヴィクトール・ユゴーであった訳ですが・・・。














テーマ:文明・文化&思想 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2015/04/22 12:51 】

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世紀末が架けた彩~ひまわりに捧ぐ友愛
DSCN7049.jpg

世紀末芸術と謂えば
どうしたって
19世紀末が強くイメージされます
そしてなぜか
同時代に活躍しながらも
印象派はそのカテゴリからは外れるんですよね。

ですがその精神性には
所謂、サロンで評価を受けてきた
一連の作品群とは明らかに異なる姿勢、
既成規範に捉われず
客観的モチーフを主観的思想性や感性に照らし
自由表現を目指す
といった共通項、あるんですよね。

政治体制は帝政から共和制への気運が高まり
それに圧されるかのような
産業、文明的変革も顕著なる社会への
抵抗、批判的スタンスも似ているようです。

そんな時代であったからこそ

後期印象派とされる
偉大なるふたりの芸術家
ゴッホとゴーギャンへと
想いを馳せると
切なくもなります。

絵画を通じた友愛
それを愛するがあまりの
確執
苦悩

それでも
ふたりがすごした
プロヴァンス光の季節は
今に生きているんですね

描き出されたあのフォルムに
あの色彩に
あの
ひまわりのなかに
しっかりと刻まれてるようです。






























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【 2015/04/21 18:18 】

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世紀末芸術 断章 Ⅳ~象徴主義
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象徴主義の萌芽は
ボードレールの”悪の華”から・・・
それも
あの象徴主義宣言に遡ること
29年前のことなんですね。

一見して、反社会的
刹那的、儚さ或いは退廃を見詰める

けれどのその先に
現代性の中にこそ潜む
古典的美しさを見出す

モードは、モードであって
通過点に過ぎない
そう、だからこそ
そこから
永遠性を汲みあげるという志向性

また
彼の唱えるコレスポンダンスは
自身の内なる世界と
果てなき宇宙空間との協奏であり
マクロコスモスとミクロコスモス
その感性の呼応に
耳を澄ませた詩論にも重なります。
それは
詩と音楽が織りなす絢となり
音楽家ドビュッシーさえ
動かしていったんですね・・・。







※ボードレールのモデルニテ賛美は
マラルメ、ヴェルレーヌ
さらにランボーへと続いて・・・




















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【 2015/04/20 20:23 】

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世紀末芸術 断章 Ⅲ~印象派との乖離
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日常の風景には
人生の深みが詰まっている
~ボードレール

陽光が導く彩と風が
一瞬垣間見せる美的心象を
見事に切り取って描く印象主義に比して
象徴主義的作品は概して月の如くの光と翳が支配する世界観
それは・・・
クロワニズムと呼ばれ
クロワゾンで単純化されその平面的神秘が
却って音楽的感動を齎した反印象主義とも一線を画す
極めて思想的な絵画であります。

強い物語性を発揮する古典から
己なりの
インスピレーションを見い出そうとする
象徴派の試みは
それが不可視の世界であるがゆえ
強烈な個性を発揮する。

そう
感じるものだけを信じるという
モローの言葉は、ここにきて
大きな意味を擡げてくるんですね。



















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【 2015/04/19 08:28 】

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世紀末芸術 断章 Ⅱ~反科学主義
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例えば
ビザンツ
例えば
オスマン
いつの時代も
時が来れば
繁栄には斜陽が射し込む
落日の予感

ボードレール風に謂えば
”夢の中にしか存在し得ない現実”であり
プルースト流なら
”眠りは青春と恋に似て
  失えば二度と見つからない”
シェイクスピアに語らせるなら
”人生は夢。眠りで始まり眠りで終わる”
といったところでしょうか。

そして
ダーウィンの進化論に象徴される科学、技術の進歩
近代化の波に押しつぶされてゆく大切なもの
崩壊するキリスト教的世界観
その反動による
中世へのノスタルジア
ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動
象徴主義

工業化社会を反映する無機(鉄、ガラス)にこそ
敢えて有機的モチーフを被せ
優美な曲線フォルムを交錯させる。
結果、構造は装飾との融合を果たし
純粋芸術の枠を超えた応用芸術
アール・ヌーヴォーが誕生したんですよね・・・。

人が持つ精神の奥行
そこは時に計り知れないほどの
深淵性を垣間見せ
汲めども尽きぬ世界が広がります。
時に神話
時に幻想
時に宇宙への神秘感
瞳には映り得ない観念的世界であるからこその
その表現性に拘り続けた彼らの飽くなき挑戦。

それはそのまま
理念に感覚的形態を纏わせることであり
観念と感性の融合とも云うべき
月光の美しさを併せ持つ
芸術思潮でありました。












































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【 2015/04/18 05:40 】

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世紀末芸術 断章 Ⅰ~ベル・エポック
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世紀末芸術と謂えば
文明に必ずや付き纏う
光と影を想います。

時代は概ね
普仏戦争後から大戦前までの
平和な時代
華やかなりしパリ
あのベル・エポックとも重なるんですね。

(19世紀末に華開きましたが
突き詰めてゆけば
その背後には
バイロンやハイネ、ミュッセらのロマン的思潮や
綺麗ごとに陥らないゾラやモーパッサン
フローベールらの鋭い人間洞察
そして
精神性を重んじた高踏派の息吹さえ感じる・・・)

さまざまなイズムが交錯する
藝術至上的濃密な空間が
美のための美を追及していたかのような時代

ボードレールに
ヴェルレーヌ、ランボーからニーチェまで
そして
クリムトに、ココシュカ、シーレ
ベックリンにセガンティーニ
ルドンにモロー
ミュッシャにガレ
ガウディ・・・

もしひとが
生きる時代を選べるのなら
私はこの時代にこそ
生きたかった
そんなふうに願いたくなる

それほどまでに
絵画を
音楽を
文学を
愛する者を惹きつけて止まない
魅惑の時代のひとつでもあります。
























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【 2015/04/14 18:46 】

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夢の中へ・・・画中画~ネルヴァル
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画中画のある作品を描かれたあなたへ

作品自体も然ることながら
絵のなかの絵画が素晴らしければ
より一層
この胸に響きます。

聡明さを含んだ美と気品
それに可愛らしさをも備えた女性は
真に魅力的で
感情移入してしまいます。
そして
ネルヴァルの言葉もふと
想起されました。

ーー物語とは、
    その物語を生きる人々のためにあるーー

パラダイムシフト的発想と申しますか
恰も理論的物語論
その終わりの始まりのような
スタンスですけれど

私はこの言葉
好きなんです。

と申しますのは
それが文學であっても
絵画であっても
彫刻であっても
製作者の手によって
愛をもってして想像され
この世に誕生した主人公たちの
そのために
この世に存在する作品
それほどに存在感がある絵画、彫刻、文学・・・を
私は愛するからなのかもしれませんね
きっと。

※夢を”もうひとつの人生”と捉えた
ネルヴァルらしいと謂えば
まったくその通りの感性かと思います。

偉大なるストーリーテラーのデュマやかのユーゴーが
そんな彼と
親交が深かったのも分かるような気が致します。


































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【 2015/04/03 19:43 】

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クリムト~ベートーヴェンフリーズ/分離派館~接吻/アッター湖畔
ー私たちを救うもの
       それは藝術そして愛ー


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世紀末ウィーンでクリムトが描出した
”ベートーヴェン フリーズ”

こちらの作品が収められている
分離派館には
あの”接吻”はありませんでした・・・

ですが
画集からでも伝わる
彼の精神世界はここに
そのまま通じる
そんなふうに
受け止めて来ました・・・。

崖の上ぎりぎり
ゆき場のない
追い詰められたかのような状況
ゆえの
野の花咲き乱れる
煌めきの抱擁・・・。

クリムトが愛したという
アッター湖畔の空

その美しさは
そまま
私たちの頭上に
音もなく
広がっている
そして
確かに
通じているんですよね・・・。


































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【 2015/02/18 18:08 】

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失われた絵画~生まれ来る絵画へ Ⅱ~ペイ・フォワードの世界観/pay it forward 
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本来贈り物は「pay back」じゃなくて
「pay it forward」なのだと
お父様に教えられたというメッセージ

素敵なお父様ですね。

      *

2001年出版の書籍に
”PAY IT FORWARD ”という小説が
あったんですけれど・・・

見知らぬ人から善意を受けて
知らぬ間に立ち去られたその方に
ご恩返しができないならば
その優しさを先に送ろうと
そんなご自身の体験を基に
執筆されたという作品でした。

”世界を変えるための方法を考えよう!
そしてそれを実行に移そう!”
社会科のシモネット先生は
そんな課題を出す訳です。

知識偏重の授業でなく
人生を豊かにすることに重きを置いた
そうした教育観にも共感致しましたけれど・・・

そこで
トレバー少年は
”ペイ・フォワード”なるアイディアを思い付くんですね。

ー3人に善意を贈り、
   それを受けたは3人は
     また別の3人に贈るー

ベースはpay backかもしれませんが
此処には見返りを求めない方向性が示唆されていますし
何より子供らしさ溢るる
シンプルな発想がとにかく愛しくて。

小さな輪が
暖かに広がって
世界的movementになっていったら・・

そう考えるだけで
幸せな気持ちになります。

そうだ!
今日から始めようっと☆
































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【 2015/02/15 14:49 】

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