文学*美観の永続性
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文學の特質のひとつに
その普遍性があります。
なぜなら文学は知識でなく
情緒に愬えるものだから。

それは、洋の東西を問わず
太古から気の遠くなるような時を超えて
共通する感情であります。

愛しさ
歓び
哀しみ
淋しさ
怒り
痛み…。

美学上の学説である
“美観の永続性”は
そうした実態を鑑みますと
至極自然な理論と言えるんですね。

ですが、それは
やはり豊かなる人間性によって紡ぎ出されねば
成立しないものでもあるんですよね…。


それが仮に
文脈に接したその時の
刹那的個性的エモーションであったとしても
後に、回想さえすれば
変わらずに甦り湧き上がってくる類いのものですし。

不滅の情感を含む書は
時空をものともしない
普遍性を備えるということなんですね。

思想に変遷はあっても
人間がもつ
基本的情緒はさして変わらない。

此れが
文学が成り立つ所以とも謂えましょう。




























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【 2017/07/24 17:19 】

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ワイマールを愛して~聖なる泉、知の泉
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Thüringenの森を迎え
夜の帳に山猫の瞳が煌く

はかなげな
パステルグリーンの葉を纏い
キツツキのまあるい巣を守る
ブナの原生林

高く強く聳え立つその森は
なぜか道行く人の思索を誘う

古ドイツ語で
聖なる泉を意味するワイマール

美しい湧き水に
鏤められる
ゲーテの詩
シラーの言葉

誠実に古典に向き合い続けたからこそ
新しきものをも
正しく迎え入れることができるという。

そう
学びは
エンドレス

終わりはないのだ・・・。


















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【 2017/07/21 12:54 】

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文学*保留されたるもの
IMG_3559.jpg

文学の
その文字列に保留されたる
知見、想像。
うち、学問に於いては殊更に特殊を退け
一般的知識に働きかけるといった
非専門的形式に法って

感情、趣味的領域で
思想を貫き表現されたものから
得られるあの美的達成感。

それは、そのまま
知識が情緒のヴェールを纏ったが如くの
得も言われぬ美しさが齎してくれる
読書の付加価値でもあろうかと。

そしてそこに立ち上がる
感情の交換、想像の交換に
こころ動かされるうちに

学理的でなくとも
否、そうでないがゆえに
その共鳴を実感するひとも
けして少なくはないものでしょう。

























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【 2017/07/06 08:08 】

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文学*贅沢な時間 Ⅳ~図書館のなかで
DSC_0132_20170612094638dda.jpg

例えば
大英博物館のリーディングルームに守られる
シェイクスピアの初版本のように

こちら”early modern English”
15世紀中葉から17世紀中葉辺りに使用された様式ではありますが
実は 敢えてOrthographyを学ばずとも
大母音推移以前という認識さえ持って望めば
綴り(=発音)が異なる部分に法則がありますので
そんなに難解ではありません。

そもそもがシェイクスピア作品は
戯曲ですから
文法云々より語順転倒への
注意は必要かもしれませんけれど・・・。

語学的に原書を愉しみたいなら
”ヴェニスの商人””ジュリアス・シーザー”あたりが平易でお奨めです。
或いは、”マクベス””テンペスト”も、ありかと。
(取り分け、”ハムレット”や”リア王”は、
古英語への慣れが求められる作品と謂えるかもしれませんので後回しに笑)

そしてこうした中にこそ
時を超えて
運ばれてくるもの感じるんですね。

さらには、古びた紙に載せられた
精巧な挿絵に相俟って
行間から零れる
草木の無限の営み。

そんな息遣いを伴いながら
人々の悲喜こもごも
大自然の香りを
時空を超えて
今に運んでくれる書物たち。

命の連鎖に

掛け替えのない
めぐり逢いに

心が震える瞬間です。























































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【 2017/07/04 12:34 】

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芥川から川端~暮らしを彩る美〜自然と藝術~陽光と幽光~末期の目


太古よりの大自然
命の儚さ
悠久へ募る想い。

日本古来の静謐な美を湛える
生を、
自然を、
こころを、
繊細にして優美な文章で
紡ぎ出していった川端。
その暮しは
文字通り国宝級の美(術品)に囲まれた
美しき空間にあったという。

掛軸や、彫刻
其処に息衝く陽光、幽光。
そして例えば、魯山人の湯呑を日常遣いにすると
いったような。

美とは、日々の生活に根付いてこその
美なのかもしれません。
少なくとも私は、そう信じて疑わない…


       *


寂しさ
哀しさ
静かさ
優しさ
嫋やかさ…
いずれにも
美は似ています。

想いを致すのは此処
美は、
味わい尽くさねばなりません結え・・・。

       *

そして

美を見つめる眼差し。

”自然が美しいのは
末期の目に映るから”
そんな芥川の遺書を引用した
川端のノーベル賞受賞講演。

病弱であった青年期に
天涯孤独の身となり
両親の記憶さえ持たない
孤独の作家、川端であったから、

そのこころを慰めたのが
“美”であったから、

断言できた
藝術の極意、”末期の目”

美は緊張のなかにこそ
拡張され
鮮烈に受容されるということ。


       

















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【 2017/04/25 12:09 】

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空の揺籃
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小説の ”プロット”
其処(抜き取られたプロット自体)には
作者の意図(思想)は、殆ど含まれていない
古典にはそんな作品が少なくない。

当該作品にとって最も大切なものを
置き去りしたプロットが
独り歩きし評されるその様子は
空の揺りかごを揺らし
幼子を寝かし付けている親のようにも映る。











































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【 2017/03/26 23:45 】

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優しきstoryteller


物語を紡ぐ
ストーリーテラー

独自のロジックのうちに展開させ
特定の雰囲気を纏わせながら構築する
ある世界観
その記述。

けれどそれは
必ずしも時系列に並んでいる必要は
ないんですね。

時に
来たる哀しみを和らげることに
次なる準備をすることに
心を砕き
(筋の巧さやスリリング性だけを是としない)
深い配慮を備えたストーリーテラーがいることを
私はある作品から学びました。

大切にしたいのは
物語の本質

そんな優しきストーリーテラーを
私は愛して止みません。














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【 2017/02/09 19:52 】

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堺事件〜森鴎外から大岡昇平〜晶子の愛した堺 妙國寺貫首


切腹の現場となった妙國寺の現貫首をして
“事件を正しく知るには、大岡を読む他ありません”
と謂わしめた
大岡版堺事件“堺港攘夷始末”

物語性を排除して史実に徹した
“レイテ戦記”の大岡ですゆえ
わからなくもありません。

往時、大きな転換期であり
アナクロニズムにあって
それは痛ましさにしか映りませんし
まして現代とは価値観を異にするため
細部への言及も避けたいところであります。

あくまで歴史小説でありますゆえ
当時盛んに論争されたという
フランス人等への表現の差異は
あって然るべきかとも存じます。

鷗外、大岡に
共通しているのは
当時大きな衝撃を与えたであろう
この事件
その当事者たちへの深い
鎮魂、哀悼の含みを感じること…。

ただ
世界広しと言えども
死に際し
こうまで潔い人間への
記述を日本文化以外では
私は知りません。














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【 2017/02/03 23:55 】

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漱石/“三四郎”だから“それから”〜三島/春の雪〜実篤/愛と死
IMG_0725.jpg

ーーわれは我が咎を知る
我が罪は常に我が前にありーー

往時、西欧文学にありがちな
プロトタイプに陥らない女性美彌子が要の
“三四郎”

科学者野々宮とピュアな三四郎の
狭間に揺れるようでいて
その実…。

だから
次なる作が
“それから”
だったんですよね。

美彌子のなかには
方や実篤“愛と死”の夏子をも求める
漱石が生きていて

その先に
三島“春の雪”の聡子
最期の選択があっても
おかしくはない訳で…



人間的複雑さを濃やかに切り取り
そこに
穣さ、深さを内包させて魅せる。

偉大なる作品の匠さは
こんなところにも
息衝いているんですね…。

























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【 2017/01/25 02:44 】

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枯寂の空
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時に帰休庵
時に観潮楼主人
こと鷗外

あ、そう云ってしまえば
“鷗外”も雅号でしたけれど。

4年余りのドイツへの研究留学で
医学研究に纏わる多くの業績をあげながら
一方で原書で名立たる小説、思想書を
読み進めたという理知のひと。
その後、陸軍軍医総監という
軍医最高峰を極めた鷗外ですが
その作品群を見渡すなら
彼の文学的人間的教養はやはり
漢文学で培われていらっしゃるゃよう…

津和野時代から身につけられたというその素養に
如何なる彼の生(知識、思索、経験)が
降り積ろうと
帝室博物館総長に任命された日に
記したのはあの漢詩でありましたし。


文学は、自己の問題を
端的にテーマにし得る
選れて有効な藝術結え

文学は多く
問題を含むんですね…。

ですが
鷗外のTheseが
如実に示しているように

問題は文学ではない。

文学は確かに問題を含みますが
それ以外のものも
あまりに
あまりに豊かなるものですから。

だれよりそれを知る文学者
鷗外だからこそ
レッシングを愛したんですよね

利他的個人主義、或いは折中主義か
文学的領略か

理論か実践か
鷗外が揺れた季節に。



結果、あの“興津”に始まり“抽斎”を迎える
“歴史家”的道を歩み始めた

資料に積み上げられ
検証し再構成される登場人物たち

それは
没我的集合主義
運命への信頼と

魂の深淵が、生を揺さぶる自己肯定
個人主義

トルストイにも見紛うほどのひと鷗外が
その両極に振れ
狭間に惑う
それほどに
捕捉し難い人間存在。

最大の敵 枯寂の空は、
果たして敵だったのか

人間的なるものを見つめ
人間性を救済せんとし
歴史を超越する眼差し
調和のとれた人生観への
歩みにも映ります。

其処で彼から学んだことのひとつ
それは

自律的世界秩序のなかで
かの歴史の桎梏と同じくらいに脅威なのは
そうした秩序や規制に耳を澄まそうせずに
徒に思量し我に固執し
本能や衝動が表に現れてきてしまう
そうした姿勢への戒めを
失ってしまうことの恐さだと云うことでありました。











✳︎たぶん
あの三嶋の憂国も
突き詰めるなら…

意図したところは
此処だったように私的には感じてます。



































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【 2017/01/09 21:29 】

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鷗外 “阿部一族” の先に…


武士道
葉隠
殉死

それぞれに各々のイメージが付き纏い
時に様々に解釈される
極めて多面的で複雑な様相を放つ
メッセージ性の強い言葉たち。

日本古来の美学が潜んでいるようでもあり
封建的重苦しさもあり
哀しき愚かさが垣間見えもする

その理由
それは、
事を為すに
組織に呑まれ
周囲の評価に囚われてしまったなら

その時点から
在るべき姿から遠ざかり
尚、美は機能を停止してしまうから。

社会が必ずしも正しいものでない以上
私たちは
どうしたって
周囲に流されることなく
真理を見極めなければならない立場にある

けれど
それは容易いことではなくて。

だからこそ
日々
思索を重ねるんですよね。

そして
それが独りよがりなものにならない為に
視野を広げ
多くを学び
深く捕らまえてゆく必要に迫られるんですね…。















































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【 2016/12/19 22:44 】

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魁夷のこころ〜冬の華〜舞う雪〜川端文学〜自然支配への愁い


凛と冷えた
横浜の空の下で

川端の“古都”
その最終章 冬の花にある
あの清浄な情景を想いました。

そこには
北山杉が淡雪を纏う
京の美の極みが描出され…。

そして
もうひとり東山魁夷

あの“冬華”後
魁夷が会得した《白》からの
京都 冬の美
“北山初雪“

愛しき自然
その残照
その立ち姿
その道行き
自然を愛しむふたりの心が
こだまする・・・。

さらには
川端が愁いた
人類の自然支配までが

北山初雪の内奥に表現せんとした
ダークな魁夷の色味に通底している

向き合う者に
逼りくるような
重いメッセージを放って……。










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【 2016/12/13 17:09 】

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虞美人草〜漱石
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あまり評価の高くない漱石の“虞美人草”
ですが
あの美文調も
私は嫌いではありません

そして何より
心情のリアルが凄い
というより
寧ろ怖いほど。

漱石の内なるもの
深層の心理
彼(=私たち)が何を求め
何を願い
何を欲していたのか

それが
顕著に伝わる作品のひとつ
に相違はないようで。


人間関係が希薄になりつつある今日
真っ直ぐに向き合えるひと
深く関われるひと

そこに必要なのは
解り合える関係性(知音

そして
幾分か恋にも似た相性にあいまった
深い尊敬と信頼やも

そんなことを
気付かせてくれた
作品でもありました故

さらには
そうしたひとの不在
或いは
喪失にまで踏み込み提起されていますから
思索は尽ないところであります。
















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【 2016/12/11 19:46 】

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無縁坂の哀しみ〜雁&舞姫/鷗外


すれ違い
行き違い
別世界

救い(愛)のない坂
無縁坂

届かぬ想いのその先で
雁(エリス)は打たれて
散りました

行き場をなくした
想いだけ
ゆらりゆらゆら
無縁坂














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【 2016/12/07 23:56 】

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最後に私がおたずねしたかったのは〜利休にたずねよ/山本兼一
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ーー静謐な気韻
美の崇高さへの畏怖ーー



煌びやかさに溢れくる美
がある一方で

侘び寂びの世界にしか
見出せない
ひっそりとした
音のない美がある。

哀しみから目を逸らさずに
痛みを抱き締め生きるひとだけが
知る美しさ

といったような。

美の源泉
美の基盤が

たったひとりのひと
たったひとつの愛
にあるとしたなら

それほど
揺るぎのない美は
ないのかもしれない。

なぜならそれは
執念にも似て

いつ
何が
どうあろうと
貫き通される類のものだから。

そういった意味でも
美と愛は
極めて
親和性が高いよう・・・・。












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【 2016/11/19 23:13 】

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ホイジンガ〜中世の秋 Ⅷ
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エルンスト(獨逸語で本気、真面目)
の対極にあるような遊戯

にありながら
最高度の緊張感と真剣さを
内包するエルンストと
遊戯のそれとの
親和性…。


虚構と現実
埋まることのない距離
その緊張関係の上にこそ
維持されるもの

それが文化の一側面…

終わりなき
対立と宥和の繰り返し

一方で
イデオロギーの
文化不毛性を感じないではいられない。

求められる
自制
ルール
寛容性

寛容性…。

本作品の舞台が
ブルゴーニュであった
その理由は
此処にある…。


































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【 2016/10/10 09:46 】

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ホイジンガ〜中世の秋 Ⅺ
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遊びを喪った文化は崩壊する…

宛かも
文化の本質的条件が
遊戯であるかの如く
語るホイジンガ

プロセスそのものが
目的となる遊戯
ゆえにそれは
必ず自発的で…
緊張と歓びを伴う
非日常の世界観

例えば演劇
例えば祭祀

単純自明の遊戯は
いつしか
複雑、高貴なものに変容しゆくほどに
遊戯概念の適用領域って
広いんですね…。



























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【 2016/10/06 23:18 】

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ホイジンガ〜中世の秋 Ⅴ
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どんな文化も
時代を超えて愛される価値を内包せしもの

それを
丁寧に掬い取ったホイジンガ

或る文化が
その命を枯らし絶えた同じ土壌に
新しい精神が生まれ来る
その情景に光を当てたひと

ーいつの時代も
   美しい世界に憧れるー

そんな書き出しに始まる第Ⅱ章
タイトルは
“美しい生活を求めて”

それは
”理想”の魅力を以て
現実を中和せんとする
中世末期の基調

美で生活を高める
騎士道、円卓の騎士たち

一見して
空疎、非合理なもののなかにこそ潜む
芸術性
そこに宿った中世精神を

客体的に捉え易い
法律、制度、政治経済を調査探求し
そこから
その内面的理解を深め行く
ホイジンガの学問的彷徨・・・。


















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【 2016/10/05 20:49 】

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ホイジンガ~中世の秋 Ⅳ
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古典の意義ほど
分野によって
異なるものも珍しいのかもしれませんが

少なくとも思想の領域においてのそれには

先ずもって

究極の想像力に
表現の純粋さ
優れた生活の統制が・・・

さらに
人間存在を見抜くあの洞察力

古代人(こだいびと)に帰せられる諸特性
そこに確かに在る 豊かな実り

人間性の
最も高貴なものは
”心の暖かさ”であることを
知らしめてくれる
そうした世界観であります。













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【 2016/10/03 03:10 】

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ホイジンガ~中世の秋 Ⅲ
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この書の起点は
ファンアイク

そこから
フランス文化の歴史的前提
ブルゴーニュ社会
所謂
”ブルゴーニュの世紀”へ

事物の本質への直感を含む
死と生誕
衰退と興隆
両者は
因果的に関係しながら
併存し
歩調はひとつであるとする
そんな
ホイジンガの主音調

それは
中世末期は
巷で謂われ尽くしている
ルネサンス前史
なんかではなく
中世の終末的アプローチだと。












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【 2016/09/29 22:15 】

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ホイジンガ~中世の秋 Ⅱ
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タイトルの”中世の秋”は
英訳本では”waning”
仏訳では”declin”
が当てられていますが
それぞれ文字通りの”凋落””衰退”が
意図せられていることから
西欧の秋は
日本的秋のイメージよりは
ネガティヴな意味合いを
含んでいるように拝察できます。
そうしたタイトルを汲みますに
内容にも相俟って
つかみどころがない読後感を持たれる方も
少なくないかもしれません。

ですが
この書
(誤解を恐れることなく)
一言で謂えば

愛惜してやまない
中世文化に
捧げた
ホイジンガの挽歌
といったところでしょうか。



















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【 2016/09/28 19:44 】

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ホイジンガ〜中世の秋 I
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ーー世界がまだ若く
5世紀ほどもまえの頃には
人生の出来事は
今よりももっとクリアな輪郭線をもっていた。

哀しみと歓び
幸不幸の間の隔たり
(中略)

そこには
直接性、絶対性がまだ失われてはいなかったーー




こうして始まる
“中世の秋”
その第1章
烈しい生活の基調

まみえるのは
美わしの 時の葬列
中世社会のページェント

ですが
ホイジンガは
終生をもって
歴史法則に否定的立場にあった

何故なら
徹頭徹尾、
一貫して変わらない
論理や概念の明晰性への
要求があったから。

その上で
歴史における
合理的要素の役割を
評価してゆく…
ヒューマ二スト的合理的精神を
継承した人物らしく。

そして
歴史に働く非合理的要素を
どう合理的に捉えるか
に心を砕く

そんなホイジンガが
到達した
文化形態論を眺むるなら

彼が芸術的直感による
非合理主義者でなかったことだけは
よく伝わっても参ります。















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【 2016/09/27 19:50 】

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モーリッツの試み
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ハイネに代表される
ギリシア神話の寓意的理解

それを
象徴的
ギリシア神話論に引き上げた
最初の人物は
モーリッツでしたでしょうか。


詩的絶対性に於いて表示した
あの試み
そこには
幾分かの瑕疵が遺されているが故
今尚こうして
向き合い続けてしまうというのも
また事実であります・・・。




















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【 2016/09/26 17:21 】

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星の光に・・・
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ーー月をこそ眺めなれしか星の夜の
深きあはれを今宵知りぬるーー


こちら
愛するひとを失った後
ふたり過ごした場所に居た堪れず
都を抜け出し
近江あたりまで下って
ふと
夜空を仰いで詠んだ歌
でしたでしょうか

印象的だったのは

意外や
この平安の時代
それ以前に
星の美しさを讃えたうたが
他に浮かばないのですが・・

若しや
日本で最古の
夜空の美しさを詠んだ歌
かもしれません・・・。




































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【 2016/09/18 20:23 】

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エスプリ・ロマンティック
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ーー愛とは単なる愛情でなく
かといって
単なる情熱でなく

さりとて
その総和でもなく

或、ひとつの解放であり
それは
時に
ふたたび生まれ出ずる為に死す
こと

当に

内なる世界の
超越的局面であるーー

チャールズ・モーガン著
“スパーケンブルック”
からのフレーズに




時の
エスプリ・ロマンティック
を想います・・・。





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【 2016/09/14 17:35 】

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寂寥の彼方に〜哀歌/グレイ
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遥か手の届かない
忘却の彼方に
埋もれ眠っている宝石たち

深い寂寥のなか
ひっそりと
馨しき香放つ
花は
けして少なくない・・・。
















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【 2016/09/09 18:40 】

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意思と自然~シェリングから親鸞へ
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近代の西欧哲学思想の中で
その問題の核心に自然を見い出したのは
シェリングではなかったかと。

とは云っても
意欲より他の存在は何もないとし
それを根元存在と見做した
あのシェリングでありますゆえ

先ずは
すべての述語
脱底性(grundlosigkeit)
永遠性
時間からの独立
自己肯定
を呼びよせるという
彼の強い意思への信頼がありまして。
(それは誇らしくもありますが・・・)

そして
各々が各々だけで存在し得たのに
他者なしで存在し得なくなるほどに
結び付けるのが
愛としたひとでもあるんですね。

そんなシェリングの
愛の原理への意思的理解には
必然
意思と意思との間に横たわる
本質的な
抗争と対立が含まれ
顕示の終局へと向かい
最期まで残る
あの二元性が
廃除できない・・・。

こうした
一連のプロセスを俯瞰で見詰めるとき

克服すら存在させず
異水を異水のままに
内なる清浄な水に転じて一体化させる
かの親鸞の
願心、慈悲という立場を
(願望と相俟って)想起せざるを得ません。

それは
愛の原理に必ず残る
その二元性をも
優しく溶解させるものではありませんでしょうか・・・。















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【 2016/09/07 12:19 】

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文学のカーニバル性~バフチーンの根本テーゼをめぐって
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どんなに複雑で
高度な形式を以てしても
真理は
特定の視点によって
表現し得るものではないものでしょうし

かといって
仮に複数の認識の視点をもって
高次の総合的視座に立てたとしても
それを汲みつくすことはできないんですよね。

そう
真理とは
モノローグ的アプローチでは
捉えられないものでありましょう。

音楽で謂うところの
ポリフォニー的特性を備えた
思想空間のなかで
営まれた思索を
ポリフォニックに響かせるところに
浮かび上がってくるものこそが
それに近しいのかと。

小説で謂えば
それは(例えばトルストイのように)
作者が作品全体を眺望し
統一付けてしまう
超越的視点となることへの警鐘でもあり

(例えばドストエフスキーのように)
登場人物のさまざまな視点に
分散させ融合された描写のなかで
自ずと抽象化され立ち昇ってくる類のものであります。

芸術的思考もそのひとつでしょうか
(私たちが通常手にできていないもの)
限定的立場に囚われず
思考し続ける者たちの
その意識の先に
浮き彫りになっている実態を見詰めるといったような・・。

謂ってみれば
視野狭窄にも近い
テクスト崇拝
”テクスト内在的テクスト解釈”
その対極にある

あらゆるテクストの奏でる
諸テクストのポリフォニーでありましょう。

それは、政治学、文化人類学、歴史学といった
他テクストを併せ通じて初めて
垣間見える場所

多次元
多旋律
非完結性ゆえの
豊饒性
是を認める必要があるということなんですよね・・・。

































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【 2016/09/03 20:46 】

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陽の光に代えて〜ドイツコラージュ Ⅴ
IMG_4708.jpg

古代ギリシアの明快な志向を
精神的陽光と名付け
作品に活かしたゲーテ

ときに
自信を喪失しながらも
年下のシラーに支えられたゲーテは
図書館の
レクラム文庫に並び
知の総合性を訴え続けた
総合的知見なくば
本当に価値あるものなど
わかりはしないと…。

ゲーテしかり
バッハしかり

人類のこころを豊かにするのは
寧ろ
過ぎ去った過去(芸術、文学、思想)たちかもしれない。

目に映る具象は一瞬
けれど
抽象(精神的空間)には
数千年の叡智がこだましている。



      *



ライプツィヒは聖トマス教会
その床には
名前が刻まれただけの
質素な銘板が置かれていた。
それが
バッハの眠る場所。









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【 2016/09/02 19:16 】

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陽の光に代えて〜ドイツコラージュ Ⅳ
IMG_4514.jpg


ーーあなたへの
      贈り物は
       私の心

私のものすべて
       私の言葉
         ふるまい
           
想いのすべてを
あなたひとりに捧げますーー







ヘッセの
“知と愛”からのフレーズ

それぞれの輝き
その共鳴・・・
それは時に陽(ひ)の輝きとなって
私たちを照らし続ける。

































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【 2016/08/29 12:45 】

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