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ティファニーで朝食を~Moon Riverからゴルトベルクを想起されたあなたへ
ヘップバーンの”ティファニーで朝食を”
そのプレリュードは
OLDファンには伝説的とも云えるものでしょうか。

舞台はニューヨークのティファニー本店前
イエローキャブのタクシーから
大きなサングラスに
タイトな躰を
ジバンシーのリトルブラックドレスで包んだ
ヘップバーン扮する
ホリー・ゴライトリーが降り立つあのシーン。

ストリートで
ティファニーのショーウィンドウを眺めながらの朝食
メニューはテイクアウトの珈琲に角クロワッサン
そこにインストゥルメンタルで
ヘンリー・マンシーニの”ムーン・リバー”が被っているのですが・・・。

彼女が見詰める先
硝子越しのジュエリーに
実は(個人的には)
少しの価値もありそうには
見えないこの不思議・・・。

朝陽でほんのり臙脂に染まる
都会のビル群が象る地平線を背景に
オープニングクレジットがロールしてゆく・・・。
      *
      *
      *
私のなかでも
映画音楽”Moon River”が
独り歩きをしていました。

と申しますのは
1マイルよりも広い河
月の光が流れる夜空
そんな断片的フレーズからの先入観と
無機的で硬質
人気のない早朝のニューヨーク5番街
ましてジュエリーとの
イメージが掛離れていて
そのギャップに完敗な状態でした(笑

手元にあります
原作となったカポーティの”Breakfast at Tiffany's”
その冒頭には
”軽やかにも涼しげ
BLACKドレスに同色サンダル
シックな印象の華奢な首筋には
真珠のネックレス
少女ではなくも
成熟ともゆかない横顔・・・”
と(かなり意訳もありますが)
こんなニュアンスで記されております結え
ビジュアル的にはとても近しいですよね。

けれど
”慣れることは、死ぬこと”で
”どこまでも自然体でいたい”
という名前を持たない彼女の
奔放さの度合いと
その
結末はまったく違うんですね。
(よって土砂降りのなかで
胸に猫を抱きしめるその意味合いも大きく変わってくる・・)

それでも
美は正義なり
と確信できるほどの
オードーリーの演技とその振舞は
原作にない美しさを纏っていて
これはもう、例によって
映画と原作は”別もの”
として、しっかりとその素晴らしさ
享受させて戴きました。

映画では
彼女がヴェランダで弾き語ったMoon River
その”向こう岸”に辿り着くこと
できたんですよね。

夢を見ながら暮らしてきたこの街が
どんなふうに変ったとしても
ふたりは
たぶん
もう
どこへも行かない。
それは
あの虹の先を
終の棲家と決めたからなんですよね。

この度、あなたから戴いた
この”ムーン・リバー”が
ヴェランダでなく室内で
尚、”ゴルトベルク変奏曲”だったら・・・
というメッセージ

なんとも興味深いご提案に
かなり
心くすぐられました^^

と申しますのも
ゴルトベルク変奏曲には
人間が本質的に抱える
言葉にはならない繊細な感情
その比喩としての旋律
愛、寂寥、哀愁、郷愁・・・
こうしたものが交錯する
せつなくて複雑な想いが
閉じ込められているように感じますゆえ。

映画には
やはり”Moon River”
かもしれませんが、
その多感な季節でのイノセンスに関わる危機と
原作の結末
そうしたことを想い浮かべながら
ゴルトベルク変奏曲を聴いていますと
それだけでもう胸がいっぱいに・・・
それほどに
シンクロしてゆく何ものかががあるんですね・・。

その手に触れられるものは
哀しいかな
永遠ではないんですよね。
ですが
その手を離した瞬間から
掛け替えのない
何かが心に芽生える・・・。

それに気付けるひと
そうはならないひと

今を生きる
私たちにもそのまま通じる
形容し難い
この心の綾を
何百年も前にバッハは
音楽で
表現してくれていたんですね。

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【 2015/02/20 17:31 】

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映画 エターナルサンシャイン~アベラールとエロイーズ~シェイクスピア/ルソー~善悪の彼岸/ニーチェ
祈り~あなたへ
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2004年公開のアメリカ映画に
”エターナルサンシャイン”があったのですがこちら
原題の”ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND”に
魅了され roadshowを待ちわびて
初日に観に行った作品でした。

と申しますのは、
18世紀の英国の詩人ポウプが
12世紀のフランスに実在した書簡を題材に
愛の純粋性を著した”エロイーザからアベラードヘ”からのフレーズが
そのまま映画タイトルになっていましたので。
(実はその基になるところに
ルソーやシェイクスピアも影響を受けたという
”アベラールとエロイーズ”なる書簡文学もありまして
そこには、男女の擦違いその恋の危うさをも
如実に描き出されてもいて
この辺りは、映画の中でも氷上にふたり躰を横たえる情景が象徴的に扱われていましたけれど)

ーHow happy is the blameless vestal's lot.
The world forgetting, by the world forgot.
Eternal sunshine of the spotless mind.
Each prayer accepted, and each wish resignedー

手元の書からの抜粋ですが
その前後も含めて
なんだか哲学的思想を思わせるメッセージ性を
感じたりもしています。

そう
穢れのない心にしか
ほんとうの幸せは
降りてはこないといったところ・・・
とても解るような気もするんですね。

そして実際
忘却が求められる時
それは、
やはり
”許し”の時
なんですよね。

美しいスタンスだと思います。

永遠なるサンシャインは
真実を見出して
その祈りを
叶えるものでしょうか。

もうひとつ

ー忘却は、よりよき前進を生むー

こちら”善悪の彼岸”からですね
またしてもニーチェです。

原文は
ーSelig sind die Vergesslichen: denn sie
werden auch mit ihren Dummheiten fertig.ー

ですので
実篤のお目出たきひと的な意味合の方に近しいようで
ポジティブな意味で使われていないことは、伝わって参ります。

確かに。

忘れられないものを
忘れることが
必ずしも是とは
どうしても思えませんし。

現に、
この映画の主題は
最終的には
記憶は忘れ去らせるものなんかではなく
”記憶こそが愛を繋ぎとめる”
だったように
受け止められます結え。

”記憶”って
たぶん人間の本質そのものなんですね。
アイデンティティであり
生きてきた証
レゾンデートル
そのすべてが
そこにあるといっても
過言ではないのかもしれない。

ですので
やはりどんな記憶であれ
その多くは
忘れることでなく
乗り越えることで
進んでゆくのが
在るべき姿なんですよね。

そうした記憶は・・・
*
感情や精神は、場所にあるという
あなたの示唆に
深く想いを寄せてもいます・・・。

そして尚
プルーストではありませんが
香りに宿り

旋律に宿る

その
有り様

言葉に成らない
懐古感に支えられて
浮かび上がってくるようです。

※映画は
第一義的に映像作品
ですので
情景ですとか
表情ですとかの描写
そして
音楽などを含めた
”言外のメッセージ性”にこそ
耳を澄ませて受け止めています・・・。

































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【 2015/02/10 17:35 】

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母、その想いの在り処~映画 秋のソナタ/イングマール・ベルイマン~ゴルトベルク変奏曲
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幼い子はなぜあんなにも
母を
求めるのだろう

見失ったときの
あの不安
あの執着は
なんなんだろう

その恋しさ
離れ難い感情は
幾分か
恋とも
親和性があるようだ
       *
       *
       *
柔らかに
暖かな
眼差し
石鹸の香り
囁くように話しかける
優しみの声
そばにいてくれるだけで
安らぎに包まれる
唯一無二の存在
それが私の母へのイメージ

6歳の夏
母を失うまでの・・・。

絶望だとか
悲しみだとかより
気持ちのやり場をなくした
その居たたまれなさが
とにかく
堪えた。

ひとり
ベッドのなかで
枕に顔を埋めることでしか
永遠に続くかのような
重苦しい時間を
遣り過ごす術がなかった。

そもそもが
かなりの
淋しがり屋で
ちょっと泣き虫だったから。
       *
       *
       *
スウェーデンの巨匠
イングマール・ベルイマン監督作品に
”秋のソナタ”
という映画があった

こちら
母と、娘の
愛情の相克を描いた作品

とにかく
音楽の扱いが
際立った作品で
科白よりも雄弁に想いを描出する
ベルイマンの感性に
戦慄した。

先にご紹介した
ゴルトベルク変奏曲
その第25変奏も遣われていた

家庭を顧みない
世界的ピアニストの母と
愛情に飢えた時間を引き摺る娘

ショパンのプレリュードをめぐる
それぞれの奏でのシーンも凄い

会話でなく
映像で心理を伝える手法も見事だ。

”心の闇”
と謂えば
そうかもしれない
”断絶”と謂えば
そうなのかもしれない

けれど
私のような立場の人間からすると
ぶつかり合う
いえ、ぶつけ合う感情は
それがどんなものであれ
やはり
愛に帰結するようにしかみえない

愛の反対は
無関心であり
憎しみは
愛の(負の)側面を表す
感情範疇にあろう結え
       *
       *
       *
たった一度でいい
もう一度
髪を梳かしてほしい

その膝をまくらに
頭を撫ぜて欲しい

充たされない想いは続いた

6歳のあの日から
願って
切望した
永遠に叶わない祈りは
いつのまにか
母の痛みを慮る愛に変った

幼子を残して旅立つ辛さは
如何ばかりだったろうかと。

そして今
それが私にとって
世界でたったひとりの母への
愛の在り処と感じてもいる。

あの日のままに

ピアノの脇の椅子に腰かけて
伏し目がちに読書する母の姿
あの日の儘に
綺麗で
優しい
母の面影が
私の胸を充たしてゆく

密やかな酸味と
触れると消えてしまいそうな
微かな温もりを湛える
透明な秋の空にも似た
母への愛。


























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【 2015/02/07 12:28 】

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哀しみのセルフィッシュ・ジーン Ⅰ~地球の静止する日/アルジェの戦い/いのちの戦場 アルジェリア/馬謖
いつも
数え切れないほどの学びを下さるあなたに・・・

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”地球が静止する日”
ゴルトベルク変奏曲を聴くscene・・・。

この変奏曲は
通常のそれとは異なり
低音部の和声進行に誘(いざなわ)れる
とても繊細な変奏を
幾重にも重ねるスタイルで進行してゆくのですが
そのひとつめの変奏へ移行したその時の
僅かな反応から
それまで認めてこなかった
人間の豊かさを
(理屈抜きに)受け入れてゆくといった様子が伝わってくる瞬間がありました。

シンプルなメロディラインを
バロック特有の通奏低音で
グラデーションのような優しさに紡ぎ上げ
あのような楽曲を構築する
バッハの力量
その偉大さ・・・・。

宇宙空間に比して
塵ほどに微力な存在でしかないかのようにも映る人間
ですがその内側には
際限のないような崇高な世界観を
広げることもできる
そんな矜持を感じさせてくれる場面でありました。

(”地球が、静止”こちらは
そのリセットを意図するようにも思えて・・・)
       *
       *
       *
不毛の争いを繰り返す世界情勢を鑑みても
(自然を含め)各立場を越えた共栄が目指されるべきなのは
明かですのに
なかなかそこに辿り着かない、着けない
もどかしさに胸が痛みます。
共存を考えられないということは
取りも直さず
そのまま
自身を追い詰めてる結果になることに
他なりません故・・・。

だからこそ
それを超え出るチカラが
求められる
ということなんですよね
(そうして2000年が過ぎて来ましたけれど)

ニーチェのツァラトゥストラではありませんが
彼のそれを独特のエリート論なんかに矮小化せずに
ひとり、ひとりの
人間性が大切だと
説くその意味に

ひとり、ひとりが
乗り越え
超越してゆかねばならないものがある
というその問題意識への
気付きが必要だということでありましょうか・・・。










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【 2015/01/26 18:51 】

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メトロポリスからクラフトワークへ


古代都市とディストピアを繋いでくれたあなたへ

学生時代、恩師のバースデーパーティに
訪問させて戴いた際のことでした。

そろそろ失礼しなければと思い始めた矢先
壁一面の書棚の片隅に
背表紙”Metropolis”の文字が目にとまったんです。
私はアレクサンドリアやダマスカスのような
古代ギリシア都市関係の本かと
そのペーパーバックを手に・・・。

ですが
思いも付かないような
書き出しで始まるその展開に
止まらなくなって(笑

そんな私を見て友人のひとりが
それが20世紀初めの
モノクロサイレントムービーの
ノベライズ的小説であること、
また、その映画は現代にしても
SFのバイブルとも云うべき名画であるということ、
その作品があるご夫妻の共同制作であったということ、
この書籍がその奥様名義で出版されたことなど
を丁寧に教えてくれました。
そして後に、奥様はナチスに傾倒し
ユダヤ人であった御主人と
袂を分ったという逸話まで・・・。

確かに時は
1920年代、ヴァイマル共和政の時代なんですね。
この作品は
イデオロギー問題(共産主義と民主主義の対立)も
軸となっていて
新感覚な社会派傾向を感じさせもします。
ですので、奥様が純粋さを含んだ発足当初の思想に
傾倒していったのは解からなくもありません。
ですがその先を考えると
ご主人がユダヤ人であったという事実
そのことのほうが衝撃的で・・・
この映画の存在は忘れる事ができないでいました。

また
サイレントムービーのもつ意味

音に溢れるこの時代に在って
音のない世界には
静謐に耳を澄ませる
原始への憧憬のようなものさえあります。
そして尚、
色彩を排したモノクロームの世界観・・・

ですのに
或る日
カーステレオから
クラフトワークなるテクノミュージックグループが
かつてのこの映画をモチーフに作曲したという
同名タイトルの楽曲が流れてきて
あの時のイメージが
ここで
ひとつに重なり合っていったこと
時を超えた融合
その不思議な感覚は
稀有の経験だったと思っています。











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【 2015/01/24 11:03 】

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哀しみのBLUE WORLD~贖罪を想って~アナーザープラネット~罪と罰/レ・ミゼラブル
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”ANOTHER EARTH ”と謂えば
BLUEを基調にした
詩的に
哀しい美しさを纏った映像が
記憶に残っています。

贖罪がテーマになってくると
受け手は
作中の罪を犯したものの心情に
寄り添わなければ
物語の理解には届かない

そして

寄り添うなら
”Another Earth”が
想定されてきたというのが
痛いほど自然に
受け入れられてしまう
そうした精神世界が広がっていたように思います。

(正しいかどうかとは別のお話です)

それが
如何に苦しいものであっても
逃げることは許されません結え・・・。

贖罪と謂えば
菊池寛の”恩讐の彼方に”
イアン・マキューアンの”贖罪”
ドストエフスキーの”罪と罰”
ユーゴーの”レ・ミゼラブル”などの
名作も胸に去来します。

ここで
たった
ひとつだけ謂えること
それは
真っ直ぐに
罪に向き合う他手立てがないということ

そこに
救済があって
許されるのかどうかさえ
私には分りません

けれど

償いだと
僅かでも
信じ得るものがあれば
其処に向けて
ただ
ひたすらに
邁進するしか術はないのものでしょうか。



































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【 2015/01/19 18:24 】

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強さの源・・・それは愛~映画 悪人
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灯台のある岬で

遙か
水平線に
落ちてゆく夕陽を
見詰める眼差し
その
限りのないような優しさ

そんなSceneで
エンディングを迎える
2010年公開の映画 ”悪人”
モントリオール世界映画祭出品作

こちら
2006年からの朝日新聞の連載小説で
その後毎日出版文化賞に
大佛次郎賞を受賞された
吉田修一氏原作の映画です。
絵本版も英語版(”Villain”)も出版されてます。

夕陽を見詰めて
そして・・・
見詰め続ける
主人公のあの眼差しに
監督のメッセージが込められていると
昨夜
”芸術に生きていらっしゃる”ような
アーティストの方がおっしゃられていたんですけれど・・・

とても
共感しました。

真実の愛を知ると
ひとは
強くなれる

こころの中に
汲めども
尽きない
ぬくもりの泉が
生まれる・・・


例え
その愛が
どんなカタチで
あっても・・・。

********************************

ゲーテの
”ヘルマンとドロテーア”の世界観ではありませんが

きっと
多くのひとが
何かを切に願い
何かを夢みながらも
それをそっと胸の奥に秘めて
日々に
出来る範囲のことたちを
ていねいに
仕上げてゆく・・・

他者を想い
感謝のうちに
一日
いちにちに丹精を込める
その積み重ねの大きさこそが
ヴィヴェーカーナンダが導かれるような
ひとつの
美しい(大きな境地へ誘われる)
生き方なのかもしれません・・・。


























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【 2014/12/27 07:11 】

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世界でいちばん素敵なお見舞い Ⅲ~パリに戯れる~フランス映画/ゴダール
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11月と謂えば
ゴンクール賞の月

こちらパリ2区にあるミシュラン一つ星のレストラン”ドルアン”で
その選考から発表までが為される
フランス文学の登龍門的存在ですが
マチエールでないエスプリを大切にするフランスならではの
文学賞であります。

エスプリ・・・
仏的精神となれば
ひとつ
フランス映画・・・
そこで先ず想い出すのが此処

モンマルトルの丘へ繋ぐ
坂の途中の映画館
”STUDIO 28”

100年近い歴史を刻む
文字通りのレトロな館内
赤い階段にまあるいアーチの入り口が目印

ホールシートやドア
窓枠さえ赤なら
カフェカウンター
そして
シャンデリアにまで
赤を粋に配した
ワンスクリーンの洒落た空間が息衝いています。

そのデザインを手掛けたと言う
コクトー直筆のイラストとサインが
ゆるい感じで
さりげなく描かれていましたっけ。

封切館に弐番館、名画座など
たくさんの映画館を擁するこの街ならではの魅力

如何に
ハリウッド映画が持て囃されようと
映画と謂えば
やはりパリな感じでしょうか

先ずもって
映画をも
文學や芸術の如く
ヌーヴェル・クリティックに考えるお国柄でもありますし。

個人的には
フランス映画とくれば
文学的、絵画的美学を
感じさせてくれるといったイメージは未だ拭えません。

例えば
”諸観念の連合に捉われない”シークエンス
ポエムのひと、ゴダール

彼の語法
見えないヌーヴェルヴァーグ精神

それも
フランスの代表的作家
バルザック
モーパッサン
或いは
サルトルの実存主義抜きには
語りえないのかと
思ってみたりもしているところです。

ここで
実存主義とくれば
フッサールの現象学が想起されるのですが・・・
前者は意識の関係性として
後者はその志向性として。

軈て
サルトルの関係性は
方法論に移って行く
そして次なる
実存主義群

それに
心理小説家の全能性批判も
詩的リアリズム批判も・・・

こう考えますと
矢張り以て
あなたのアプローチする
(パリ解放区ならぬ)
解放のヴェールは
此処でも纏われているんですね・・・。

当にアンチ・ロマン的
なので
映画界のヌーヴォー・ロマン

ちょっと構造主義っぽく。

”作家主義”必然の世界観
総括としてそうあらねばの芸術

フレンチエスプリとアンニュイの風を感じながら
STUDIO 28やEpée de Bois で
ゴダールに耽る
これ
パリ遊びのベースと謂って良いしょうか(笑



























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【 2014/11/26 09:30 】

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ONCE ダブリンの街角で~名前のない恋人たち
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フランスのモノクローム映画に
カラックスの
”Boy Meets Girl”がありましたけれど
この作品をしての
”ボーイ ミーツ ガール”パターン

今日のテーマ”ONCE ダブリンの街角で”は
この類型であり
監督・脚本をジョン・カーニーが手掛けた
アイルランド映画です。

あぁ、けれど
Boyにしては
違和感あり(笑
せめて
”Guy Meets Girl”

タイトルままに
アイルランドはダブリンが舞台
それも街角
何かが起きるのは
決まって街角な作品です。

ふたりの出会いもストリート
こころ傷付いたアイルランド男性が謳うオリジナル楽曲に
家庭に疲れたチェコからの移民女性が聴き惚れるところから

ー二人を繋ぐ、愛より強いメロディー
なんて
音楽好きにはキャッチーなコピー
ついてましたっけ(笑
そして
”ストリートから始まるラブストーリー”とも。

それから

そうなんですね
ほんとうに・・・

愛すべき世界観がそのままに通じ合えるひとになんて
そうそう出会える筈もなく・・・

人生に
たった一回でいい
しかも
ずっと
でなくてもいい

たったひとり
たったひとりだけでいい

そんなひとに出会えたなら

それでもう充分かもみたいな
解り合え方
ってあるのかもしれません。

またこの映画
随処に挿入歌が鏤められた
一言で謂えば音楽映画なのですが

(個人的には例えば
クライマックスにコンサートシーンもってくるですとか
ある楽曲が鍵的に
映画のプロットに大きく関わってくるですとか
そういうの堪らなく好き・・・で)

この映画はと謂えば
全編音楽に埋め尽くされている様
まして
”Broken Hearted Hoover Fixer Sucker Guy”
なんてもうほとんど
穏やかにも静的な変形ミュージカルの域(笑

(確かに、後にブロードウェイミュージカルにリメイクされてますね
日本でも、六本木にまもなく上陸のようですが・・・)

私としては
原題"ONCE"のこの映画の
さりげなさに
惹かれるんですね。

とにかく
すべてが
さりげなく描かれています。

音楽も
街角も
仕事も
出会いも
誘いも
そして
別れも・・・。

楽器店のピアノで
彼女がメンデルスゾーンの
舟歌を弾く場面
その旋律の美しさに感動し
彼が
”君が作曲したの?”って尋ねちゃうシーンがあるんですけれど

知らないって
確かにこういうことなんですね
たぶん

似たような経験ありまして(笑
やはり
少し”くすっ”
ってなりますね

この辺りから妙に
感情移入してしまいまして・・・

さりげなく
どこまでもさりげない美しさをもつ情景の中で
ふたりの距離が縮まるか
といった重要なシーンでの
彼からの問いかけに対し
彼女が出す答え
それが

”Miluju tebe”

けれど
ここだけ
チェコ語で答えるんですね
彼女。

結え、
気持ち(言葉の意味)は彼に届かない
映画には字幕もなかったので
観客にも届きません。

そして
名前がない
名前がないんですね
ふたりに。
主人公のふたりに
終章まで
名前がないんです。

これが不思議と
違和感なくて
ラストのエンドロール見詰めながら
そう謂えばって
気付かされたんですけれどね。

ふたり初めてデュオした
記念すべきあの楽器店から
彼はピアノを贈る
彼女は家庭でそれを奏でながら
それでも窓の外を眺めるんですね
そして
眺め続ける・・・。

その想いは
あの言葉に還ってゆく。

そう
”Miluju tebe”
こちら
チェコ語で
”あなたが好き”


それもさり気ないんです
とにかく
さり気ない。

どうでしょう
さり気なさって

心地よさに
そのまま通じてゆくのかななんて
そんなふーにも
思えた作品。

はい
限りなく私流の
さり気ない映画感でした・・。




************************

"If You Want Me "の
彼女の歌声が綺麗です・・・。





















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【 2014/11/02 07:59 】

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美の扉~マレーナ/モニカ・ベルッチ~カバネル/アルベデ
扉006

ニュー・シネマ・パラダイスを手掛けた監督ジュゼッペ・トルナトーレの
2000年公開の映画に”マレーナ”がありましたけれど
モニカ・ベルッチが演じたマレーナ
背景にシチリア戦争を置いた憂いの美貌

それは(私的に)あの名画
ファーブル美術館のアフロディテなる
”カバネルのアルベデ”を彷彿とさせる
女性美に重なります・・・


アルベデ
こちら時期的には印象派台頭と重なる
アカデミー最後の巨匠の手によるもの
ナポレオンのエジプト遠征以来好まれた
オリエンタルな雰囲気漂うAlbayde

彼の”ヴィーナスの誕生”含め
何をもってしてこのような
美の扉をノックさせるのかと
こころ穏やかにはいられなくて・・・。



















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【 2014/08/31 12:38 】

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しあわせの隠れ場所~荒野の狼さまに感謝を込めまして・・・
此の度
エストリルのクリスマスローズの過去記事
しあわせの隠れ場所”を切欠に
この映画をご覧戴いたというお便りを頂戴致しまして
それがあまりに素敵で・・・

DSC_0221.jpg

そして同時に彼の投稿された こちらのレビューに学び
胸がいっぱいになりまして・・・。
恥ずかしながら移動中の機内で鑑賞しただけの拙い私の記事とは違って
それは素晴らしいレヴュー☆
なので上記文字上にてリンクしています♪

子供たちへの読み聞かせのシーンも温もりとしてイメージに残ってはいましたが
その絵本のタイトルが”Ferdinand the Bull”であったことも
そのストーリーも知らずにおりましたので
ご紹介頂いたyoutubeにて拝見致しました処
なんと愛らしいお話かと・・・。

すごぉ~く強いのに優しさに溢れた牛のFerdinand(スペイン統一国家創建者と同名ですね^^)くんが
映画の主人公マイケルくんに重なります。

この絵本の最高の結末からも伝わるのですが、

*そのひとの”心の在り方”と”幸せ度”って、表裏一体なんだナ*

って、改めて教えて戴いたようで
例えようのない”しあわせなココロ”を戴きました。

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一昨夜、アメリカはメモリアルデーにお便り下さった
その日の意味深さを想いながら
Charles Ivesの交響詩”Decoration Day”に身を委ねます。
癒しのエッセンスが随所に散りばめられたこちらの作品たちと
この映画への理解を深めて下さった荒野の狼さまに
心からの感謝を込めまして

ありがとうございます・・・。

saki








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【 2013/05/30 08:18 】

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映画 しあわせの隠れ場所/サンドラブロック/ハンコック~ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟/マイケル・ルイス
the-blind-side-13.jpg
映画 しあわせの隠れ場所

映画となれば
ミニシアター系の作品にばかり
惹かれてきたもので・・・

フランクフルトへの移動中
機内でこの映画出会わなければ
たぶん見過ごしていたものでしょう..。

映画”しあわせの隠れ場所”は
全米アメリカンフットボールのリーグNFLのマイケル・オアーが
選手として成功するまでの真実の記録
マイケル・ルイスのノンフィクション”ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟”
からの映画化です。
原題は”The Blind Side”

制作年は2009年。

あらすじは
アメリカはミシシッピのスラム街に生まれ
ホームレスに近い生活を送っていた黒人青年マイケルが
裕福な白人女性リー・アンの家庭に家族の一員として迎え入れられ
その後
アメフト選手としての才能を開花させていくまでの日々の成長を
描いたものです
結えハートウォーミングな展開になってます^^
監督はジョン・リー・ハンコック
主演はサンドラ・ブロック

経済的にも精神的にも恵まれない
孤独な青年マイケル
そんな彼を
リー・アンは自分たちの家庭に躊躇なく迎え入れます。
愛情と思い遣りに溢れているのに
マイケルに気を遣わせないように
我が子と変わらぬ愛を注ぐサンドラブロック演じるアンの男前(笑)なサバサバ感が
飾らない造らない真の優しさとして
観る者を魅了します。
さらに
子供たちもなんの抵抗もなく
兄弟のように自然に振る舞うんですね
とにも
かくにも
暖かさに満ち満ちた作品です。
そして
このマイケルが
とことん良い子・・・
とことんハートフル☆

しあわせって
日常の
こんなところに潜んでいるんだナって
改めて
感じさせてくれる作品です。
困っている人に差し伸べる手のぬくもりに
苦しんでいるひとの支えになれたそのときに
他を思い遣るこころに
その哀しみを掬いとれた時に
みなで囲む食卓に
ひとを信じるきる純粋さに
分け合う想いに・・・
そして
これが実話であるということに・・・。

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キャスト: サンドラ・ブロック/リー・アン・テューイ/ティム・マッグ/ロウショーン・テューイ
クィントン・アーロン/マイケル・オアー/キャシー・ベイツスー夫人/リリー・コリンズコリンズ・テューイ




テーマ:ヒューマン・人間ドラマ - ジャンル:映画

【 2012/12/19 17:16 】

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霧の中の風景~テオ・アンゲロプロス~ギリシャ/イタリア/フランス
121212.jpg
SINCE1988年

ギリシャ、フランス、イタリア三国の合作映画
主人公は
12歳と5歳の姉弟
ヴーラとアレクサンドロス。

未だ見ぬ父親が住むと知らされ
ギリシャはアテネから
儚い希望を胸に
幼いふたりが
一心にドイツを目指すロードムービー
ギリシャの政情不安も背景にあります。

監督はテオ・アンゲロプロス

絵画のように美しい映像美で織り成されたこの映画
タイトルは
”霧の中の風景”

音楽はエレニ・カラインドロウ
オーボエ、フレンチ・ホルン、クラリネット
そしてストリングスが奏でる旋律が
胸に沁み渡ります・・・。

夜汽車に揺られるふたり
過る不安
行き着く処の不確かさ
見失う目標
奥深い山道を
しっかりと手を携えて歩む先
音もなく雪降る田舎町
作品中唯一の青空のもと
海から吊り上げられた巨大な石の手に秘められた意図
海辺のダンスシーン
オレステスへの想い・・・。

モノクロームの静謐な世界観
霧の奥に現われた大きな樹
ラストシーン
その構成美

幼いふたりは
ひたすらに
愛を求めて
もとめて

そして
届かない
それでも
そこにあるのは

厳然として

なんですね・・・

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美しさと同じ数だけの
哀しみを湛えた作品です。




第45回ヴェネツィア国際映画祭/銀獅子賞
第2回ヨーロッパ映画賞/作品賞受賞


テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

【 2012/12/11 20:08 】

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わたしを離さないで/Never Let Me Go/カズオイシグ/JAZZ~ノーフォーク/テープ/ロストコーナー/生命の本質/福岡伸一~動的平衡/自己複製/遺伝子補償~レーゾンデートル
わたし~1

現代の英国が誇る作家カズオイシグロの小説
”Never Let Me Go”

”日の名残り”ではイギリス文学最高峰と云われるブッカー賞、
そしてフランス芸術文化勲章も受章された作家です。
英国紙タイムズ主宰の戦後文学主要50人作家に名も連ねていました。
漢字表記は石黒一雄。長崎県出身の日本人ですが、その作風には日本的なるものは殆ど感じられません。

舞台は20世紀末
外界から隔絶された寄宿学校で育つ3人の男女
大人になった彼らの前に立ちはだかるものとは。

キーワードは、“possible”“carer”“donor”“complete”
そのひとつ”Hailsham”
ヘールシャム
成人以降に”特別な存在”となることを運命付けられている者たちの寄宿学校。
彼らがヘールシャム時代に受けた情操教育
絵画、音楽、文学を通じて研ぎ澄まされてゆく感性

ヘールシャムの4階は、ロストコーナー
遺失物保管所
日常の外にある
皆からは忘れ去られた場所
でありながらも
その一方で
失くしたものが見つかるかもしれない所でもあります。

語り手はキャシー
大切なカセットに録音された”Never let me go”というJazzナンバーに合せて
部屋の片隅でひっそりとスローダンスを舞っていた少女です。
過去への追想を交錯させて物語は進みます。

移りゆく四季とともに育んだ友情
高い空の下で空想に戯れたあの瞬間
清涼な空気のなかで心から愛した時間。

そして Norfolkへ 
此処は英国のLOST CORNER
”遺失物保管所”のある街です
ーNorfolk was England's "lost corner." where all the lost property found in the country ended up.ー
そしてトミーが“complete”した街
失った何かが見つかるかもしれない街
希望 ”最後の砦”

心の拠り所でもあったロストコーナーに重ねて、キャシーは、現実の”ノーフォーク”へ旅します

失くしたテープ
失くした過去
失くしたレーゾンデートル
失くした友
失くした愛
先の見えない未来

Norfolk海岸をひとり彷徨うキャシー
そこに漂うのは
静謐、諦観、瑞々しい過去への溢れんばかりの想い・・・

イシグロ氏のSF的設定によって浮かび上がってくる
かけがえのないものその価値の行方
翻訳でなく原文でこそ読んで戴きたい作品です。

※作中キャシーが舞った楽曲は、Judy Bridgewaterという歌手が歌うSongs After Darkというアルバムに収められている”Never let me go”というタイトルの楽曲であり、
Baby,Baby,Babyのリフレイン・・・といった記述がありましたが
架空の作品のようです。
”Never let me go”という同名タイトルのスタンダードなJAZZナンバーは見つかりましたが
雰囲気も歌詞も異なりました。
--slow tempo、midnighe、America--テイストという点では
Big Bud Harperのブルースが近いのかもしれません。

この小説のSF的要素に照らしてか
分子生物学者福岡伸一氏が推薦文を書かれていました。
分子レベルでの生命現象を詩的に綴った書籍”生物と無生物のあいだ”を出版され
サントリー大賞、新書大賞を受賞された方です。
本文では”生物の本質は動的平衡”と説かれていますが
賛否あるようですね。
生命の本質とは動的平衡であり自己複製でありそして遺伝子補償である
としても
“possible”も“carer”も“donor”も紛れもなく同一価値の掛け替えのない命であり
救いのないキーワード“complete”の蔭にあるもの
それは、記憶の輝き、限りのない愛、永遠の想い
ということでしょうか。

この小説、映画化もなされていました。
映画 わたしを離さないで
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<キャスト&スタッフ>
キャシー…キャリー・マリガン(17歳の肖像/つぐない)
トミー…アンドリュー・ガーフィールド(Boy A)
ルース…キーラ・ナイトレイ(いわずとしれた売れっ子)
校長先生…シャーロット・ランプリング

監督:マーク・ロマネク
脚本:アレックス・ガーランド
原作:カズオ・イシグロ
製作総指揮:アレックス・ガーランド/カズオ・イシグロ/テッサ・ロス

参考"Never Let Me Go" (Judy Bridgewater)

テーマ:読書メモ - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/10/14 18:05 】

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おもいでの夏~Summer of '42 /full 視聴~ジェニファー・オニール/ミシェル・ルグラン
ーー海の美しさは特別だった
       丘の家に 彼女はいたーー


MPW-49605.jpg
Summer of '42 (←動画Full視聴)

1971年のアメリカ映画 ”おもいでの夏”
フランス戦線で戦う夫の帰りを
丘の上の小さな家でひとり待つ人妻ドロシー。
憂いを含んだ笑顔
待ち受けるドロシーの哀しみ・・
そんな彼女に憧れる15才のハーミー。
彼は、1942年の夏
この島にバカンスに来た少年でした。

第二次世界大戦下
ニュー・イングランド
紺碧の海に囲まれた避暑地を舞台にした
ひと夏のラブストーリー。

全編を貫く映像美とミシェル・ルグラン の哀愁を帯びたこのメロディラインがあれば
説明は不要といった感じの作品です・・。

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※監督:ロバート・マリガン 
キャスト:ジェニファー・オニール/ゲーリー・グライムス

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【 2012/09/18 05:03 】

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ノルウェイの森~村上春樹
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映画 ノルウェイの森

村上春樹氏のベストセラー小説”ノルウェイの森”を原作とした文芸作品です。
村上氏ご本人が語られていたように”特別の作品”であるこの小説の映画化となれば
ハードルが高く実現は難しいのではと思っていたのですが
そこは、こちらのトラン・アン・ユン監督の強みで
氏の”肖像画がそのモデルに似ていなくては意味がないように、小説を映画化する際には、原作に似ていなくては意味がない”といった拘りとリンクして、このコラボが実現したようです。

なので若干の不安もありながら期待してました。

というのも、
村上春樹氏
学生時代に暫く嵌ってまして、英語の直訳のようにサクサク読める文体と極めてフラットなあの感覚が
還って
透明感、お洒落な雰囲気を醸し出していて
好きでした。
ミーハー(死語?)な感想でスミマセン(笑

でも本当に
彼の比喩表現、
ページ丸ごとメタファ
みたいなあの村上ワールドには
すっかり魅せられていて・・心から天才!とか思ってました。

ですので、少なくとも私が惹かれている彼の魅力が
映像化に不向きなのでは・・・
みたいな不安だったんですね。

けれど
思春期の感性、形容し難い気持ちとかmoratorium的感覚にある方とかには
感情移入し易く共感できる小説と感じていましたので
その部分は見事に映像化されていたと
個人的には感じてます。

アンニュイな映像美が日本映画というより
フランス映画のようでした。。。

*キャスト
松山ケンイチ (ワタナベ)
菊地凛子 (直子)
水原希子 (緑)
高良健吾 (キズキ)
霧島れいか (レイコ)
初音映莉子 (ハツミ)
玉山鉄二 (永沢)
柄本時生 (突撃隊)
糸井重里
細野晴臣
高橋幸宏
*スタッフ
監督 トラン・アン・ユン
脚本 トラン・アン・ユン
原作 村上春樹
主題曲/主題歌 ザ・ビートルズ

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【 2012/08/08 10:39 】

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映画 八日目の蝉
youkame-semi.jpg

原作は角田光代さんの小説”八日目の蝉”
映画が原作を超える数少ない文芸作品のひとつだと思います。
母と子の愛は、どこかしら
思春期の初恋にも似ているように思います。

事象を善悪二元論で捉えるのでなく
人間の本質を見据え、
それを丁寧に描き出している作品です。

youkame-semi20(1).jpg

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【 2012/07/28 21:32 】

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サンティアゴ・デ・コンポステーラ~映画 星の旅人達たち
地の果て(Finis Terrae Finitre)とも形容される
イベリア半島は北西端に位置するガリシア地方に
1000年にも及び巡礼路として知られる
Santiago de Compostelaの巡礼の最終地
サンティアゴ・デ・コンポステーラがあります。
こちらでは毎日12時に
銀の香炉、所謂ボタフメイロ(Botafumeiro)を
大きく振り子の様に揺らす雄偉な儀式が執り行われています。

img01.jpg

キリスト教12使徒の一人である聖ヤコブ(スペイン語読みサンティアゴ)の遺骨が
9世紀にここで発見されて以来
ローマ、エルサレムに並んで、ヨーロッパ三大巡礼地の一つとして崇められるようになったんですね。
中世には年間50万を超えるクリスチャンたちが
ピレネー山脈を越え、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指したと伝えられています。
道程は約800kmに及びます。
巡礼者は巡礼のシンボルとされる帆立貝の貝殻を通行証として身に着け
サンティアゴの道といわれる本ルートか、カンタブリア海沿いを通る海岸ルートかの何れかを辿ります。
巡礼街道はユネスコの世界遺産にも指定されており
光栄にも日本の熊野街道とは姉妹街道とされています。
そして7月25日が日曜日にあたる年を”聖ヤコブイヤー”とし
聖ヤコブのPuerta Santa(聖なる門)が通年開かれるという決め事がありまして・・
この門は、通り抜けると罪の全てが清められると信じられていることから
Puerta del Perdon(免罪の門)と呼ばれています。

そんな
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を舞台にした映画がこちら
星の旅人たち
理屈抜きに、素敵な映画です。

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テーマ:スペイン情報 - ジャンル:海外情報

【 2012/07/26 12:10 】

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ファウスト
アレクサンドル・ソクーロフ監督作『ファウスト』
”モレク神””牡牛座 ””レーニンの肖像””太陽”以上4作で権力者4部作という括りの様ですが
その最終章に当たる作品でもあります。
2011年(第68回)ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞しています。

poster.jpg

ドイツに古くから伝わるファウスト(魔術師)伝説
伝説のもとになっているのは、1509年にハイデルベルク大学で神学Doktorをとったとされている人物です。
宗教改革の創始者マルティン・ルターに悪魔の力を借りていると非難されたエピソードも残されています。
上記史実をベースに
文豪ゲーテが書き上げた”ファウスト”
この文芸大作をソクーロフの解釈で映像化されたものが
こちらの映画です。

敢て好意的に評させて戴くならば
難解 の一言に尽きます。

生きる意味を模索するファウスト博士の
禅問答のような科白が脈々と続くのですが
人間の弱さは感じとれても
ポジティブな答えは見出せません。
ファウストが悪魔(メフィストフェレス)に魂を売るという基本だけは
原作が生かされている処ではあります。
というよりゲーテの名を出すべきではなかったかと。。。
ファウスト伝説をモチーフに・・
といことであればそれはもう表現の自由だとは思うのですが・・・。

スタッフ
監督・脚本: アレクサンドル・ソクーロフ
原案: ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
台本: ユーリー・アラボフ
共同脚本: マリーナ・コレノワ
音楽・製作: アンドレイ・シグレ
撮影: ブリュノ・デルボネル
美術: エレナ・ズーコワ
衣装: リディヤ・クリューコワ
編集: イェルク・ハウシルト
キャスト:ヨハネス・ツァイラー/アントン・アダシンスキー/イゾルデ・ディシャウク
ゲオルク・フリードリヒ/ハンナ・シグラ/アンチェ・レーヴァルト
フロリアン・ブリュックナー/シグルズール・スクラソン/マキシム・メーメット
アンドレアス・シュミット/オリバー・ブーツ

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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/07/25 11:35 】

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