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フェルメール~真珠の耳飾りの少女/牛乳を注ぐ女~ヒヤシンスブルーの少女
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イタリア フィレンツェのウフィツィ美術館近くの書店で見つけた小説
”ヒヤシンスブルーの少女”(原題:Girl In Hyacinth Blue)

ーー赤錆色のスカートにヒヤシンスブルーの布を纏った少女。
その瞳は、真珠のように清楚な輝きを湛えている。
開け放たれた窓から降り注ぐ柔らかな陽の光。
「これは、本物のフェルメールだ」彼は小さく呟いたーー



目に飛び込んで来たこのフレーズ(かなり意訳入ってます)に魅せられ即購入
ペーパーバック版で読みました。

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真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)であまりに
有名なフェルメールですが、
残存する作品が少ないこともあって、隠れた真作を求めるが故に贋作の噂も後を絶たない・・
そんな彼の
ここにある一枚の絵を巡り
8章の物語からひとつひとつ時代を遡って350年間の過去への旅が初まる・・・といった構成です。

作者はSusan Vreeland(スーザン・ブリーランド)
米国のハイスクールの先生で、小説に於いては全くの新人のようですが
WEBで検索するとニューヨークタイムズ始め各メディアの称賛の記事が散見され
有名な文学賞をも受賞されている巷でもお勧め短編連作集のよう・・。

フェルメールを題材にした文学は
トレイシー・シュヴァリエの”Girl With a Pearl Earring”
シリ・ハストヴェットの”Yonder: Essays”などいくつか発表されていますが
こちらの小説は、主役である”フェルメールの作品”そのものがフィクションです。
けれど
フェルメールの絵画への評価はリアル過ぎるほどで、美術評論家顔負けの鋭い洞察力が全編を貫いています。
”ヒヤシンス・ブルーの少女”という架空の絵画を巡って
現代のアメリカから、第二次世界大戦時のアムステルダム
さらに19世紀末オランダ、フランス、19世紀初頭のオランダへと
小刻みに舞台を移しながら物語は進行して行きます。
そしていよいよ1717年にクライマックスを迎えます。

オランダの片田舎が歴史的な洪水に見舞われた折
乳児を乗せた一艘の小舟が・・そこにはその子の全てが託されたフェルメールの絵。

絵画に秘められた謎と画家フェルメールの苦悩に迫り
最後にこの絵のモデル、娘のマフダレーナの夢に辿りつく。

彼女のプロット創作センスも去ることながら
オランダの美しい田園風景の描写に、登場人物たちの人生の光と影を交錯させて
ヒヤシンスブルーの絵画の旅に誘うという彼女の手法に嵌りました。

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レンブラントと二人、17世紀オランダ画家の双璧とされる
デルフトの画家フェルメールですが
日常の些事を優しい眼差しで切り取った
”牛乳を注ぐ女”
こちらが個人的にいちばん好きな絵画です。

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テーマ:絵画・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/08/19 23:27 】

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