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谷間の百合/The lily of the valley~モルソフ/フェリクス/マネルヴィル~バルザック/人間喜劇~フレグランス
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”The lily of the valley”
その名に魅かれて購入したフレグランスですが
優しいフローラル系の香りも気に入ってます。
”a lily of the valley”は、鈴蘭
けれど、谷間に咲く白百合をイメージさせたバルザックの小説Le Lys dans la valléeの影響でしょうか、”谷間の百合”と直訳されることが多いように思います。
というのも、この書簡体小説”谷間のゆり”で
主人公フェリクスがアンドル川の遊歩道を散歩しているときに、ある館の前に一輪の白百合を見つけ、それがあまりに美しく密やかに咲いていたので
この館こそ、憧れのモルソフ夫人が暮らす処に違いないと確信する訳です。

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最終的には結ばれることのなかった二人ですが
ココロは、互いに誰よりも近いところにあったように思います。
そしてアンリエットの死によって彼女の存在が彼にとって絶対的なものになったのだと・・。
クレーヴの奥方しかり
ストイックである方が、精神性が高まるというか
逆説的なようですが
想い合うふたりが結ばれないからこその
”永遠性”って確かにあると思えてなりません。

ナポレオンの失脚、フランス復古王政辺りを背景とした
バルザックの手によるこの哀しい恋の物語
最後に差し込まれたマネルヴィル夫人の”短い手紙”が余韻を残す作品となってます。

※バルザックの人間喜劇全体に視野を広げると
最後の手紙に語らせているように女心の解らないフェリックスは、
”イヴの娘”では随分と成長して登場しているようですし、”結婚契約”のマネルヴィル夫人を知るにつけ、やはり 愛されるはモルソフ夫人唯一人であったろうと・・。
今更ながらバルザックのストーリー展開の巧みさに敬服・・。

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/09/09 23:51 】

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