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パリ18区/景観保存地区~酒場ラパンアジル~ユトリロ/白の時代~モンマルトルの丘~ルノワール/ロートレック
lapin ajile

こちらフランスはパリ18区
老舗のシャンソン酒場
”ラパン・アジル”
モンマルトルの丘の上、サン・ヴァンサン通りとソール通りとがクロスする角地にあります。
斜向かいには小さなぶどう畑
ひっそり息衝く漆喰の白壁
かわいらしい緑の扉に
灰色の鎧戸
石畳はと云えばきっちり20センチ角の御影石
まるで名もない片田舎のような暖かみのある風景
モンマルトルの街をこよなく愛した画家ユトリロの作品です。

(パリの街を歩いていたら水道管工事に遭遇、工事現場の方たちは
外した石畳の石の総てに番号を振って丁寧に並べていたのが印象的でした^^)

近年では観光客がメイン顧客のようなこのBarですが
かつてのこの店の壁には
無名時代のピカソやマティス、ユトリロらの絵が無造作に掛けられていたといいます。
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ芸術の拠点となったモンマルトルの酒場ですから
貧しき芸術家の卵たちの溜り場、憩いの場時に議論の場となっていたのも頷けます。

ユトリロの母ヴァラドンは、ルノワールやロートレックが好んで
モデルにするほど容姿端麗であったといいます。
父を知らないユトリロはそんな美しい母に強い執着をもちますが
ヴァラドンは母で在る前にひとりの女であったようです。
充たされない心を埋めるようにお酒に溺れていったユトリロ。
そして17歳の時には
既にアルコール依存と診断されます。
そんな彼が絵筆を握る切っ掛けとなったのはその治療の一環
主治医によるアドバイスにありました。
アルコールに苦しめられたユトリロでしたが
悲しきアルコールが結果的に彼を絵画の世界に導いたこともまた事実なんですね。
ユトリロは20代で、600枚を超える絵を制作しています。
”ユトリロ白の時代”です。
それは時に
哀しみを紛らわすための創作
或いは苦悩をも塗り込めた作品
であったものでしょう。
けれど
そうした憂色とは別に彼の作品から伝わってくるのは
痛いほどのモンマルトルへの愛。

ユトリロの導き出した深い白
その抒情性と憂愁
一枚の絵画が
如何に多くの物語を
愛を
想いを
湛えていることか
改めて思い知らされる作品です。

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※Montmartreは標高130㍍
ですが此処パリではいちばん高い丘。
ケーブルカーでも行けますが
222(数えました!!)の階段・・あの趣も格別です♪
一帯は歴史保存地区に指定されており
基本方針は19世紀末儘の外観を守ること。
パリにはこうした景観保存地区が随処にあります。
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テーマ:絵画 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/11/06 17:39 】

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