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メロウ/アイルランド~スコットランド~マーメイド伝説~サイドストリー/アナザーストーリー/クロスオーバー/シェアード・ワールド/スピンオフ/派生~ヘッセ~人魚姫/アンデルセン~ローレライの歌/ドイツ~セイレーン/ギリシア神話



ーー儚さがなければ、美しいものはないーー


ドイツ文学を代表する作家
ヘルマン・ヘッセの言葉です。

彼は、続けて
次のように記していました。

”美と死
歓喜と無常
これらは
互いに求め合い制約し合っている”

Mols 034 the sea

世界各国に伝わるマーメイド伝説。
海辺で手鏡を翳しながら長い髪を梳かす水の精
そんな可憐なイメージのあるマーメイドですが
中でもローレライの歌は良く知られています。

ライン川を見下ろす断崖に座り魅惑的な声で謳い続ける
マーメイドの歌声に
航海する水夫たちは惑わされ
舵の手元を狂わせ破滅へと導かれるお話です。
ポピュラーな処ではハイネ
またライン川に身を投げるというブレンターノ オリジナルのローレライも切ない想いが込められていました。
こちら
古代ギリシア神話に登場する海の妖精
美しい歌声で男たちを誘い、嵐を呼び起こして難破させる
セイレーン(足元は魚ではなく鳥でしたが)の流れを汲むものでしょうか。
ここから各国にアナザー(サイド)ストーリーが生まれ
時にクロスオーバー、シェアード・ワールド、或いはスピンオフ、パラレルワールド、if系化
されていったようです。

アイルランドの”マーメイドの涙”伝説では
修道士に恋をした人魚が勇気を振り絞って
人間と同じ魂を授けて下さいと彼に申し出ます。
ですが修道士が心開くことはなく
とうとう最期には海辺にさえ近寄らないように言い渡されてしまうのです。
哀しみに暮れたマーメードがこのとき流した涙は小さな石に変わり
今でもアイオナ島の砂浜の灰緑色の小石は”マーメイドの涙”と
呼ばれているそうです。
またブリテン王国(イギリス)の人間の男性と結婚するお話
さらには
スコットランド北東部サザーランドには
コーンウォールの3つの願いをかなえてくれるメロウ伝承が・・。
他にも北欧、そして東洋に
シュメールに、南米の神ケツアルカトルに因むものなどなど
また
15世紀末のコロンブスの航海日誌には
アメリカ大陸への洋上で
マーメイドを見かけたと記されているほど
各国で古くから愛され受け継がれてきたSTORYなんですね。

個人的には
幼少のころに母から読み聞かせて貰った”人魚姫”
19世紀ヨーロッパでデンマークのアンデルセンが手掛けた童話ですが
その哀しみの結末に
一度聴いたら
忘れられない物語となって胸に刻まれました。

愛する人に逢いたい一心で
深い海の底で足と引き換えに
綺麗で優しい声を失うマーメイド
そして
ただただ愛する人のしあわせだけを願い
報われることなく泡となって消えたマーメイド。

そんな彼女を想うと
ヘッセの言葉が
想起されてくるんです。

彼女の恋は
儚いからこそ
美しいのだと・・

儚いからこそひとの心を捉えて離さない。

ですから
人魚の恋は
誰より胸に深く
強く
刻まれてきたのだろうと・・・。

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※派生作品
アレクサンダー・ツェムリンスキーの
交響詩に”Den lille Havfrue”がありましたし
アメリカ映画の”スプラッシュ”やディズニー映画”リトル・マーメイド”
ジブリの”崖の上のポニョ”
なんかもその派生作品と謂えるのではないでしょうか
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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/12/05 19:38 】

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