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私的”嵐が丘”論 Ⅲ~エミリー・ブロンテ
イギリスはヨークシャ地方
ヒースの花咲くムーアの牧師館で育った
ブロンテ姉妹
その姉シャーロットは”ジェーン・エア”で
妹アンは”アグネス・グレイ”で
そしてこの”嵐が丘”で知られるエミリー・ブロンテ
三姉妹揃って文学史に名を残す女流作家です。

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時はヴィクトリア時代。
イギリス建国の頃から
ジェントリー、ナイト、ロイヤルなど
8階級から成る英国の階級制度
経済構造の変化によっても尚
厳然としてその名残のあった”嵐が丘”時代
幾多の文献に接するに
こんなにまでも人々を苦衷に落とし込んで・・・と
息苦しくなるほどの呻吟も伝わってくる
虚しき階級制度
その軛からどうにも逃れられない人々。
(こちら他でもない社会構造が生み出した産物のようですが・・・)
またモラルにも大変に厳格であったという
そうした世相に在りながらの
キャサリンのあの価値観
愛の在り方
ヒースクリフのああした行動・・
こうした処に想いを馳せてしまうと
涙で滲んで文字が読めなくなって(笑
手元の書を閉じては暫くして
また読み返すといったことの繰り返しで
読み進んだこと想い出されます。



嵐が丘は、
ヒースクリフとキャサリンの愛のカタチを
描いているようで彼らは
もしかしたら筆者が”描き出したいもの”
その器でしかない・・・
そこに息衝くは
精神(愛の本体)そのものかと。

巷に溢れる安易な恋からは
得られないもの・・。
といいますか
筆者にしてみれば
そこには真理などない
という処でしょうか・・。

永遠とも思える憂悶の時間のなかに於いても
逃げることもせず
真っ直ぐに向き合い
何があろうと変わることなく思い続ける
気の遠くなるような想いの積み重ねの先に
見えてくる精神の深淵
日本で謂えば”葉隠”の世界観にも通じる
普遍性・・

真実は魂を解放するんですね・・・
救いのないような作品に見えるかもしれませんが
ここに描かれた愛は
作者エミリー・ブロンテの
”愛の夢”なのかもしれません。
これこそが実存と
謂わんばかりの迫力であります。

解るひとには解る
解らない人には
解らなくて結構
”嵐が丘”は
そうした彼女の強い意思に貫かれた作品とも云えるものでしょう。

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嵐が丘に流れていた
あの時間
その総てにおいて
ふたり体は離ればなれでも
心はいつもひとつだったんですね・・・






ーー嵐が丘に比するものがあるとすれば
            グレコの絵だけだーー
                ~サマセット・モーム
























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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2013/04/22 08:47 】

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