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ヘミングウェイが愛した海~ゲバラが創った国 Ⅱ


今日出会った空色は
あの空色へ続くかのように

遠い日の記憶を運ぶ


そこは
ヘミングウェイが
”世界で最も勇敢な漁師が住む町”と評した処であり
そのまま
ノーベル賞受賞の原動力ともなった”老人と海”を
執筆した地

酒豪で知られる彼が好んだ
モヒート発祥の地でもある
ラム酒をベースに檸檬を落とし
ミントで香りをつけたモヒート

こうしたロングドリンクを
ゆっくり時間をかけ味わうことが
彼の創作活動に
どんな影響を与えただろうかと
ひとり想像をめぐらしてもみる

そして
その後・・・
あの”人間を愛した革命家”
ゲバラが慈しんで
慈しみ抜いた地でもある

フロリダ海峡を望む
カリブ海最大の都市
クリストーバルを守護聖人とするキューバの首都ハバナ

革命記念日には盛大な式典がとりおこなわれるという
革命の記念広場まで足を延ばした

周囲は辛うじて緑に囲まれているものの
広場の大空間は
沈黙のアスファルトが横たわり
ぽつんぽつんと街燈がたっているだけ
人影はない
彼の最期の様子を聞かされたあとで
虚しさにも近い
形容しようがない寂しさが胸を覆った

視線の先には
理想から目をそらすまいとでもするかのように
少し遠くの空を
真っ直ぐに見詰める眼差し
”弱者を守る英雄”ゲバラのポートレート

装飾は一切なく
アイアンで象ってあるだけの
無私な彼に相応しい
シンプルな肖像

新旧の市街地その境界辺りに
いかにもアメリカ的な建築
キャピトリオが残されていた
そこには
スペインからの独立以来
キューバ革命までの
所謂アメリカ時代
最も華やいだというハバナの名残があった

けれどそれは
市民苦節の象徴でもある

革命時
ゲバラが願ったこと

彼が
求めたもの

人間本来の豊かさとは
真の豊かさとは・・・


色彩を持たない広場が
語りかけてきたあの寂寥のうちがわより
私は寧ろ彼のポートレートの向こう
明るい水色に
地平線から静かに臙脂を加える
音のない空に耳を澄ませた

そこで聴こえてきたものは
今日の日の
この空の下にも
小さく
けれど
優しく響いている

私は両の掌で
零れないように
丁寧に掬い取って
胸の奥に収めた。


















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テーマ:芸術・心・癒し - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2013/12/14 03:10 】

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