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暮らしに舞い降りる耀き Ⅱ~ゲーテ色彩論/絵画論/画家論~シラーへ
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先のゲーテの色彩論に纏わる記述が
素晴らしき表現者への(私のささやかな)応援メッセージの側面を備えていることを
解かって下さったこころ優しきあなたへ

彼は美術評論画家論を書いていたものかという
ご質問ですが・・・

そうなんです。
あんなにも美を追求した人物ですゆえ
絵画論に、建築論、画家論も・・・。
そもそもあの”色彩論”とて
その基本法則を担っている”色彩環”の構想は
彼の絵画論から導き出されたものだったんですね。

ゲーテは絵画を
というより絵画を為す”画家”を
注視し続けた節がありまして・・・

キーワードは”普遍性”
そもそもこちら
人間精神が運ぶものなんですよね。
その原点に立ち返るなら

シラーが
単なる合理的経験論に陥ると懸念し
カントの純粋理性批判のカテゴリに従うよう助言した
ゲーテの”純粋現象”
そこでも
”普遍性”との融合は
理論の整合性から齎されるものでなく
あくまで
対話的実践作業によって可能となるとし
そのことは、画家の制作過程に酷似してはいないか
と、そういった観点からの見解があったこと

要は、自然界には色彩の全体性を顕す普遍的具現など存在しないのだから
画家的資質を備えた者が其処を存分に生かしながら
多くの経験を経た習熟から熟達へ向かう
その精神性のなかで、調和の理念は感得されるのだ
といったような論を啓く
そのくらいに
絵画を愛したひとだったと
(個人的)理解をしております。

私が母から贈られた最初のゲーテ作品は
”若きヴェルテルの悩み”で
そこでの
バトゥからウッド
ド・ピールからヴィンケルマンに至る
多くの知識が披露されたといった科白は
ゲーテの絵画への思いの深さが伝わってくるフレーズでありました。

ゲーテの生きた世紀は

ーーut pictura poesisーー

なんて叫ばれるほど
絵画が
偉大なる芸術とされていた時代なんですね。

そうなんです
詩さえも
絵画的であれとされた時代。
これって凄いことですよね。
こうした背景のもとに
著されたこの色彩論は
教示編
論争編
歴史編の
三部構成であり
その最終章には
ゲーテの告白が付されていました。
そこにはもう
ニュートンスペクトルならず
ゲーテスペクトルとも呼びたくもなるような
科学理論的な言語対立があって
色彩論というよりは
色彩学的探求が試みられていたんです。

その切っ掛けは
ゲーテのある”気付き”だったよう。

時熱性を帯びた美的体験の文章化に当り
そのために駆使しなければならない構成や技法
ですが
自らが学びを重ねてきたなかには
それが存在しなかったというような挫折?があり
そこで、ゲーテは
造形芸術に
その法則や規則性を
求めようとした様子が見て取れます。
拠って
感性的な認識
美的真の手掛かりを得る方法論として
絵画を採ったんですね。

その創案
その構成
そのフォルム

ゲーテの絵画論は
(古典的彫刻作品の素描、否、画家なればこその彫刻制作云々~)
平面上の線描(素描)
立体的彫塑性(明暗を示唆)
そして色彩へと展開されて行きました。

けれど
その試みの前に立ち塞がったのが
”色彩の壁”だったんですね。

技巧的なそれはあっても
原則を見出すには至らなかったもので
科学に対抗すべく
藝術的認識を絵画に求めながら
色彩に於いてはやはり
非科学的継承性しか見出せずして
此処から
先の”色彩論”に還っていったという訳なんですね。

ただ、
模写を推奨したそのあとに
藝術の本来の目的に照らすなら
最高の目標は
自然の模倣であるといった方向へ導く
ですが
自然の真と芸術の真は別物であり
芸術家は自然物のようにみえるがごとく
努めることは許されないと説きます
ところが是
作品と自然との原理的峻別を意味するものでなく
完全な芸術作品を以て人間精神の作品と位置付け
その意味では、自然と一体化するものであると帰結するんです。

ゲーテのこの認識は
その造形法則と形成原理において
自然と芸術の共通項を見出していたことを
如実に示すものだと私は受け止めています。

そんなゲーテの作品観と
それを享受せんがために
藝術と共に暮らし
自己形成を図ろうとした
ゲーテの芸術観そのものが私は好きなんですね。

メングスの五段階のうち
制作に着手する以前の精神的段階
構想(創案、構成二段階)での絵画主題の選択を
単なる原初的萌芽とせず
ここに実践を担うべく本質を見
精神そのものの役割を果たす段階
と見做した、18世紀中葉の彼の絵画論に
古くて新しい美しさを感じてしまうんです・・・。












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テーマ:絵画・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2014/10/29 19:16 】

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