誰もいない海辺にて~智恵子抄/高村光太郎
高村光太郎の第二詩集を読んだあの日から
初夏になると訪れたくなるこの海岸

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誰もいない海辺

智恵子の友達は
千鳥だけ。

向う側へ行ってしまった智恵子の
淋しげなうしろ姿を見詰めながら
夕陽射す防風林に
いつまでも
いつまでも立ち尽したという光太郎の哀しみ
・・・・・。



              *



光太郎が智恵子に宛てたという
あの”ふみ”が胸に蘇ります。

ーー何といふ美しい松林でせう。
    あの松の間から来るきれいな空気を吸ふと   
      どんな病気でもなおってしまひませう。
         そしておいしい新鮮なもの
           よく食べてよく休んでください。
             智恵さん 智恵さんーー










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【 2015/05/31 23:00 】

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THE CAFE~ニューグランド


横浜ニューグランドホテルのザ・カフェ
山下公園を見渡す
窓際のこのシート
蒼い海に船のシルエット
初夏の風が真近の銀杏の葉を揺らす
そして
手元の珈琲の香りが
頬を包む癒しの空間
仕事の合間のオアシスです^^




































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【 2015/05/29 16:28 】

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挽歌~シュティフター
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ゲーテの”ヴィルヘルム・マイスターの修業時代”を動的なBildungsromanと捉えるなら
シュティフターの”挽歌”は、極めて静的なそれであり

延々と田園風景の広がるだけの大地の旅を
愉しむことができる方なら

必ずや
この小説の最期に詳らかにされる結末
その意味深さに
心を動かして戴けるものかと・・・。

そこには
限りのないような自然への愛と
深なる知の歓び
そして
瞳に映るものなど到底及ばない
美しい精神世界が広がっています。

ニーチェが激賞し
トーマス・マンが認め
リルケが愛した物語

        *

空の高さと
地平線を見渡すが如くの解放感
艶やかな緑に
小鳥のさえずり
お気に入りの画集と
愛読書さえあれば
もう充分
そんなふーに思わせてくれる作品でもあります。



























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【 2015/05/27 09:00 】

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廃墟文学
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日本のあの哀しき終戦に対し
ヨーロッパの戦争は
ベルリンの市街戦で終結したんですよね。
そして
ドイツ全土がほぼ焦土と化した。

其処から生まれた
廃墟文学を鑑みるに

(ハインリヒ・ベルではありませんが)
そこには
敗戦直後が描かれていただけでなく
歴史を洞察するという
この国固有の文学精神が息衝いていたように感じています。

そしてそれが戦後ドイツ文学の
基調になって来たんですね・・・。



















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【 2015/05/26 17:57 】

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高校時代ナターシャに恋したというあなたへ~戦争と平和/トルストイ
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先の記事で
ナターシャという魅力的な女性像に触れたのですが

ーナターシャは僕が高校時代に恋した女性ですー

こんなメッセージを下さったあなた
あぁ なんて素敵な想い出でしょう・・・。




          *




”戦争と平和”の登場人物に恋ができる
高校生の男の子
その感性
ほんとうに素晴しいと思いました。

そして
そうまでさせるトルストイの表現力
此処なんですけれど・・・。
          
ロマン・ロランは
この”戦争と平和”を
今によみがえった”イーリアス”と讃えましたが、
トルストイは、それほど壮大な世界観を
瑕疵なく細部まで見事に操りました。
歴史を縦糸に
人間性(ロシア民族性)を横糸に
登場人物のひとりひとりに命を吹き込みながら
絶えず幸せの棲家を探し求めつつ紡がれた物語。
今に響く
トルストイの人間観察とその洞察力・・・。

同時代に生きたニーチェの言葉
”生きる意味を見出した者は、どのような生にも耐え得る”が
通奏低音のように流れている作品でもあります。

日々のひとときひととき
そこで充実した時間を重ねてゆくために
個々で生きる理由を確立することが
如何に大切か
ということでありましょうか。

























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【 2015/05/25 17:48 】

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戦争と平和/トルストイ~ナターシャという女性像を想って
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ロシア文学のなかで私の胸に
深く残っている女性
それはたぶん
トルストイが描き出した
”戦争と平和”の主要人物ナターシャなんですね。

-主要人物と申しますのは
”戦争と平和”は、五百人を裕に超える登場人物が
精緻に操られる
極めて多響的作品です故
主人公が特定し辛いということからの表現です-

その理由は
彼女が、深窓の令嬢として育ちながら
私たちが価値あるものと
誤解しやすい
地上の富や名誉の虚しさを知り

大空の高さ
果てしなさ
そこに永遠性を見出せる精神性
それを知識でなく深層で理解できている
そうした女性像と感じられたからかもしれません・・・。













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【 2015/05/24 00:23 】

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帰り道



















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【 2015/05/23 11:13 】

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加上理論


加上理論なるものがありまして
こちら広義には
先行する説よりもさらに上位の視点を立て批判し
自説の優越性を主張してゆく
論理展開を指すのですが

ヒュームを批判したカント
カントを批判したヘーゲル
ヘーゲルを批判するキルケゴール、マルクス

その手法により
それが概して
優位に映る傾向は否めません。

この加上説、狭義には
後代の学説は、その発展過程で
(自説の正当性を示すべく)
既存学説を越えようとして
思想体系の始祖、其の諸説となることを目指し
さらに遡った説から強い論点を求めるがゆえ
複雑さをも増すという見解なのですが

思想家たちの心理的背景を見据え
分析するという研究手法
そもそも
この論説を打ち立てるに求められる読書量と
思想史から原理を抽出する
その洞察力に感服という感じで。

論理は、因果律に沿って
平面的時間的に展開され行くもの
ですが
加上の論理構成は
空間的と申しますか立体化
重層化された理論という印象もあります。

ポスト構造主義的には
理解が及び易いのかもしれませんが
その功罪は
胸に留めておかねばならないところでしょうか。







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【 2015/05/21 19:32 】

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キルケゴールの知的誠実
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キルケゴールの哲学上の敵対者はヘーゲルだったようですが
議論の仕方で謂えば
彼はもう
ヘーゲルそのまま
なんですよね

ヘーゲルもキルケゴールも弁証法を立てている以上
否定が基本です結え。

ただ否定の先に宥和を置くヘーゲルと
ソクラテスの否定術に習い了解不能の域に持ち込む
彼とでは・・・確かな相違はあります。

彼が
不可能性のなかで
理想を求めて思考的模索を重ねることは
知的誠実と謂えるものでしょう。
ですが、結果として
その誠実さが
自己弁護の楯になってしまっていたとしたら
それを思惟そのものの不誠実さと捉えるか否か
此処は
分かれるところかもしれません。






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【 2015/05/20 17:20 】

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幸せの棲家~キルケゴールの反復~ソクラテス~温故知新/論語
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キルケゴールの謂う
”反復”
こちら
安らぎさえ感じさせる概念で

イデアを引き出そうとするプラトンでなく
学びを徹底させるソクラテスを読んだ時の
あの感じとも似ています。

(未来ばかりを見詰める希望は
現在を充分に生きることが叶わず
時に今を見失わせ
まして、その夢自体も
指の隙間から零れ落ちていったりもしますので
地に足の着いた安定感には欠ける部分がありますゆえ。)

ーあらゆる認識は想起であるー

それでも
キルケゴールの反復は
単なる想起ではありませんので
戻らないものへの懐旧とも異なります。

”反復”から
新しい何かを見出し
今に生かすところに
幸福が潜む
とするのが彼の基本概念
そう
反復から新しさ、個性、生命力が
生まれ来ると言うその思想
そして

人間的深み
美しき時間
男らしさ女らしさのなかにも幸福があると

ですので以外にも(失礼!)
バランスのとれた論理性さえ感じます。

彼によると
すべては
既にあるようなんですね

新しいものだから飽きが来る
旧いものは飽きない

旧いものを前にすると
ひとは幸福になる
反復を何か新しいものであるかのように
思い違いしないものだけがほんとうに幸福になると
そして
ギリシア人はあらゆる認識は追憶であると教えた
しかし
新しい哲学は、”全人生は反復である”と教えるだろうとも。

何に於いても
精神的付加価値を付けることのできる
その能力こそが
大切と云うことでしょうか。













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【 2015/05/19 17:28 】

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人間という名の贅沢な存在 
真の贅沢とは・・・



知や美しいものに感動する心を
日々の生活のsceneに活かす
そんな精神的営みを積み重ねるそのことが

人生に於ける
最も贅沢な舞台に立つことになるのだと
そうしたことへの
気付きを与えてくれたもの
それは
数えても
数えても
数えきれませんが

そのいちばんの師は
たぶん
カントでなく
ゲーテでなく
トルストイでなく
ユーゴーでなく
やはり
・・・・・
過ぎし日の父ではなかったかと
そんなことを
感じています。

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【 2015/05/18 13:12 】

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あなたへ~祈り
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小豆島と謂えば、オリーブなイメージありましたけれど
私的には寧ろ”石の島”という印象・・・。

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大きな石(岩)は
樹齢千年を超える大樹に似た
荘厳さと抱擁力を湛えていて

この祈りも通じそう^^

生きるに少し疲れた時には
ふと
身を任せてみたくもなったりして・・
(だから”二十四の瞳”も大石先生?)

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この島には
私たちが守り続けなければならない
瞳には映らない大切なものが
静かに
けれど
確かに
息衝いています・・・。



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【 2015/05/17 11:58 】

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あなたへ
































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【 2015/05/15 21:34 】

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豊かさ


教育のいちばんの目的は
人生を豊かにすること
かと思ってもいます。

精神の豊かさは
何をも
乗り越えさせる
しなやかな武器になろうかと・・・。















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【 2015/05/11 06:17 】

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Welcome to my home☆~躑躅の季節
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ほんのり
躑躅屋敷な空間
心なしか
小鳥たちも
愉しそう

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【 2015/05/10 16:53 】

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妖精の詩-Fairy Song-/ジョン・キーツ
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25歳で早逝した
英国 ロマン派の詩人ジョン・キーツ

本人の命により墓碑銘は

ーHere lies one whose name was writ in waterー

”その名を水に書かれし者、ここに眠る”
一読したら
脳裏から離れない
それほどに
深い憂戚を浮かべるこのepitaphからも伝わる様に
命の淵で苦悩したからこそ
研ぎ澄まされ
紡がれる言葉
結え
それは絶唱にも似た詩となり
今、尚
私たちの胸に
静かに
語りかけてくるんですね・・・。



            *



”La Belle Dame sans Merci”のなかで
キーツは
新緑の硲に佇む
美しい女性に遭遇します。
白百合のような肌に薔薇色の頬
妖精の如く澄んだ瞳
ですが彼女は哀しみに沈み
疲れ切っていました。
彼は
その長い髪に
野の花々で編んだティアラを
細い手首を包むように
ブレスレットを贈ります・・・。


























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【 2015/05/09 09:53 】

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ドイツ観念論という名の人生の通過点


哲学ならばドイツ
政治ならばフランス
経済ならば英国
そんなことを記していたのは
かのマルクスだったでしょうか。

確かに哲学で謂えば
経験論的英国、実証主義的フランス、観念論的ドイツ
といったイメージはありまして
此処
なんですけれど
ヘーゲル的志向性と申しますか
所謂”ドイツ観念論”を通過した者と
そうでない者では
哲学的議論で温度差があるというのは
否めないように思うんですね。

例えば鴎外
多分にドイツナイズされた様子が伺え
留学を自閉的に過ごしたと伝えられている漱石とは対照的です。

ですが
その思考性は寧ろ真逆で
encyclopediaな鴎外(西も同じ括りかと)に比して
漱石(幾太郎しかり)は
森羅万象を読み解く
原理追求派であったように感じています。

ギリシア哲学からの系譜
この根本的資質をこそ
私は愛します・・・。









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【 2015/05/08 21:38 】

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論理の使い方
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最初にゴールがあって
その隙間を埋めるのに論理を使うのが文系
論理を積み重ねてゴールを探求しようとするのが理系

なんて
仰る方がいらしたんですけれど
言い得て妙なこの分析に
それぞれの学問の性質を
思わずにはいられませんでした(笑




















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【 2015/05/07 18:16 】

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朝陽のあたる丘で~While My Guitar Gently Weepsの先に・・・


I look at you all
see the love there that's sleeping







此処でも
やはり
救いは
大きな意味での
愛 だと
信じている・・・

そのように受け取れる
そのようにしか受け取れない
表現です


やはり
愛は強い
ということでしょうか。

















































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【 2015/05/06 12:45 】

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朝の薔薇に~ホプキンスの詩~While My Guitar Gently Weepsへ
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ストラトフォード出身の
19世紀 英国詩人
Gerard Manley Hopkins

古代英詩に口語英語を織り交ぜて
キーツ的瑞々しさで仕上げたような作風

敬虔な生き方が呼び覚ます
inscapeなしなやかさが魅力です。

バリエーションに富んだカスタマイズが
随所に施されますが
基本、ソネットのひと です。

(元は13世紀イタリアで生まれた愛のためのソネット
それより短めですが
英国ルネサンスをピークに
シェークスピアソネット
スペンサーソネット他にも
ミルトン,ワーズワースらが
採用してきた詩作の王道です。)

平行性の原理に裏打ちされた
彼の言語観と申しますか
藝術観に魅かれます。

Before it cloud, Christ, lord, and sour with sinning,
Innocent mind and Mayday in girl and boy,
Most, O maid's child, thy choice and worthy the winning.
~Gerard Manley Hopkins


ホプキンスは
何を教えてくれているのか。

            *

ひとは一人では生きられない
にも関わらず
人間社会に於いて
総てが予定調和に上手くゆくことなど
ありえない訳で
傍目に
どんなに恵まれた環境に見えても
その裏側には伺いしれない苦悩が根を張っている
そう
生と苦は
必ずやSETなんですね
憂愁、嫉妬、自嘲、悲嘆、哀傷、絶望・・。

逃れられないもののように見えて
それを乗り越える方策は
どこでもなく
自身のなかに
厳然とあること、
それが
人間が人間であることの
最も素晴らしい特性のひとつなのかと
思ってもみる訳です。

思考の硲の
”つぐみの歌”に耳を澄ませましょう
ということなんですよね。

豊かさに満ちた
澄み渡った空は
手の届かない場所にあるようでいて
実は
此処まで
降りてきているという真実。

それに気付いて欲しい。

ないものを数えて
安らぎなど
得られるはずもなく。

あるものを数えるなら
自身が
こんなにたくさんの
かけがえのないものに
囲まれていることに
気付ける。

キーワードは
”気付き”
ですね。

エデンの園にひずみが生じても
こころに
それを備え続ける
そうした感覚を
構築する能力が
求められるんですね。

子供の頃のピュアな想い
利害関係を絡めない
バイアスのかからない
公平な眼差し
それだけは
いつの時も忘れずにいたいから。

夏がどんなに過酷で
冬がどんなに厳しくても
心にいつも
春のうららかさを失わずいること
そのこと
それ自体が
既に大きな価値をもっているように感じています。

With every mistake
we must surely be learning
Still my guitar gently weeps.
~While My Guitar Gently Weeps

人間は失敗をする生き物で

ですが
そうであるからこそ
向上が望める
そこで
しっかりと
学び
掴み取って
ひとたび
努力の及ぶ範疇と見極めるや
最大限の努力を惜しまないで
歩みをすすめる
それでいいんですよね。

その時
仮に
どんなに
胸の中で
咽び泣いていたとしても・・。













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【 2015/05/05 12:00 】

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夕べの薔薇に~Pray to the moon ~あなたへ
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時を重ねるごとに
失われ行くもの

けれど
それに負けない
かけがえのないものが
胸のなかに
降り積もってゆく

時に月の雫
時に氷の欠片
時に陽光の束
時に小さな星屑

そして
いつしかひとは
辿り着く

樹齢を告げる年輪のように








 























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【 2015/05/04 20:53 】

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クレラー・ミュラー~ゴッホの眼差し
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オランダはオッテルロー
自然の佇まいを残す樹々たちに
溶け込むように建つ
クレラー・ミュラー美術館

一度向き合ったなら
容易にはその場から
離れられないような
gravityを感じさせる作品が
幾枚も収蔵されている
オランダ有数の美術館のひとつですが
今日は
その一枚に想いを馳せました。

それは
孤高の画家
フィンセント・ファン・ゴッホが描き出した
”馬鈴薯を食べる人たち”
1885年の作品です。

小さな灯りが
家族で食卓を囲む
慎ましい夕餉の場面を
浮かび上がらせています。

フォークやポットを握るその手は
節くれだっており
日々、真摯に農作業に勤しむ様子も伺われます。

労働者階級の清貧な暮らし
憂いや哀愁の硲に
質素、節制、節度、倹約という
ストイックにも
大地に根差した
落ち着いた精神性が伝わっても参ります。

清貧が湛える独特の美が
宗教画にも通じる
聖性を呼び覚ますことを
教えてくれたのは
まさにこの絵画でありました。

同時代
都会では、
物質文明社会が齎す
実利主義、功利主義が横行していました
ブルジョワジーの贅沢に潜む浪費
ムーランルージュに象徴される
官能、享楽。
ですがゴッホは
そうした華やかさは
人間の精神に負の翳を投げかけ
充実とは程遠い喪失感
空虚感を引き寄せることを見抜いた
そして
そうしたものへの抵抗、批判を
藝術に昇華させたものでしょうか。

誠実に日々を生き抜く
農夫たちの姿は
鑑賞する者の胸を打ちます。

描出された厳粛
それは
労働への賛美であり
人間が人間としてある上で
失くしてはならない大切なものを
掲げてもいる
そうした作品と受け止め
私は深い共感を覚えたんです・・。











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【 2015/05/01 18:38 】

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