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鷗外を想って Ⅶ 〜シェッフェル/笛の音
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--苦しかりけり我が恋は
哀しかりけり我が恋は

潮風荒き荒磯に
吹かれて立てるそなれまつ
寄せ来る波に打ち折られ
岸から遠く離れ行く

翠の波のそのうちに
浮きつ沈みつ見えにけり
鷗の鳥の数あまた
飛びて辺りをめぐるなり

夜深き波に月冴えて
沖辺を遠く舟ぞゆく
おりおり詩(うた)の聴こゆるは
もの想うひとや漕ぐならん--



こちらは
ライン河岸辺にて謳われた

互いに惹かれ合いながらも
別れを余儀なくされる
青年とプリンセスとの
水辺の恋

ドイツ詩人シェッフェル
“笛の音”からの一節です。

この作品はかなりの大作であり
翻訳者の鷗外が
帰国後程なく
舞姫に先立って翻訳し
発表したものなんですね。

彼が訪れたという
アルトベルリンに
流れるシュプレー川にも
往時幾分かの鷗が飛来していたことは
同時代の文献にも
記述があり

筆名含め
あまりに
重なりゆく想いに
読み手の胸まで痛んでくる
翻訳になっています。































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テーマ:つぶやき - ジャンル:日記

【 2016/07/22 18:07 】

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