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きんぎょのおつかい~与謝野晶子の ものがたり
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与謝野晶子の絵本に
“きんぎょのおつかい”(童話処女作)があります。
こちら高部氏の挿絵
そのレトロ感も堪りませんけれど
(発表当初の晶子のお話には夢二の絵が
配されてもいたようです)

母性のひと
晶子ならではの逸品であります。 

3匹のきんぎょ
しっかり者の赤
心配性の白
甘えん坊のぶちが
新宿からお茶の水のニコライ堂の先まで
電車に乗っておつかいにゆくお話なんですけれど

新宿すていしょんでは
切符を3枚買おうと試みます。
(金魚が着物を着て帯を締め
3匹揃って切符売り場を見あげている
挿絵の可愛らしさといったら)
けれど
きんぎょさんには
お手がないからと売ってもらえない。
それでも
なんとか切符なしで乗れることになり
3匹はよろこんで
プラットホームの石のだんだんを昇って行きました。
するとまもなく駅舎に電車が・・・
ですが
三人は急に苦しくなってお水を入れてもらうように
お願いするんです。
しかし靴を脱いでお外を眺めている坊やの靴が
ぷかぷか浮いてしまうし
他の乗客の下駄や草履も濡れてしまうと
断られてしまいます。
結局、駅員さんにお水を満たした
金だらいを持ってきてもらい
その中へ♪
ぽちゃんぽちゃんと
文字通り水を得た魚状態に(笑

途中トンネル(四谷と信濃町の間?)で
白とぶちが居眠りしたり
乗り過ごしそうになりながらも
目的地(お茶の水)に無事到着して
おつかい先の家族からは
きんぎょさんが電車に乗っての
おつかいなんて
すごい、偉いと大絶賛の嵐。
ご褒美にお土産を沢山戴くのですが
手がないので受け取れず
小包にして送って貰うことに。

また最寄り駅に戻った際には
飼い主の3人兄妹が
駅までお迎えに。
しかもひとりひとりが小さな手に
ひとつひとつ小さなバケツを
持って待っていたんです。
そこでまた3匹は
ぽちゃんぽちゃん
とごきげんに。

          *

simpleで
ピュアなシュールさを含んだこのプロット
実は(巷の童話の勧善懲悪性や
貧しい言葉使いに辟易していた)晶子ママ自らが
御自身のお子さまたちに
言葉にならない愛おしみの情を付与させて
紡ぎ出したお話だったんですね。






※大正浪漫情熱の歌人
あれほどの熱き表現力を備えながら
有島への秘めた愛を抑え込み
一方では、子供達へは無償の愛を降り注ぐ
ありとあらゆるものへ
全身全霊で向き合った晶子の
汲めども尽きせぬ愛の深さに
時を隔てて尚
褪せることのない情景描写に相俟って
母の優しみその温もりが
深々と
伝わってもくる作品であります・・・。



























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テーマ:伝えたいこと - ジャンル:日記

【 2016/01/13 22:26 】

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