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孤独のひと榎本武揚/安部公房~真夏の冬景色
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安部公房の歴史小説”榎本武揚”に

ひとつの時代に対する忠誠ゆえに
次の時代には
犯罪者として迎えられる
そのことに対する思いが記されていたことを

昨夜
大切なひととの語らいのうちに想起いたしまして・・・。

作中では
忠誠そのものが
悪徳でないなら
時代が変わったと言うことに

どうして個人が責任を
負わねばならないのか

といったような表現をしていたように
記憶しています。

指導的立場になくば
責任の追及を
交わせもしましょうが
所謂
転向は余儀なくされるんですね。

時代の価値観が大きく変容し
それが非人道的と見做されれば
過ぎ去った時代への”忠誠”は
最早
憎悪の対象にもなりましょう。         

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数年前の真冬に
私は北海度 函館
五稜郭を訪れました。

そう・・・
仮に、五稜郭で抵抗した榎本の
本来的事由が
部下たちの意思が
殉教(旧時代の忠誠に拘る)にあるか
転向(新たな認識に立てる)にあるかの
その見極めのためだったとしても

榎本がそのままに
割り切った合理主義者であるとは
どうしても思えず
むしろ彼こそ、
時代の崩壊に
誰より傷付いた人物のひとりではなかったかと…。

細心の注意を払って
歴史を見つめるなら
時代が入れ替わるということの背後にある
当事者たちの慟哭も聞こえ
彼らにとっては
それほどに残酷な瞬間も
なかったかもしれません。
(映画ラストサムライのワンシーンが重なりもします)

そして良き(そうあらねばなりませんが)につけ悪しきにつけ
時代(=時代を成した者)を
引き裂いてゆくプロセスを
私たちが歴史と
呼んでいる側面があることを
改めて知らしめてくれたあの五稜郭の
音のない冬景色は
哀しみを含んでいるようでした。

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【 2016/07/29 17:55 】

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