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海の見える街~鎌倉めぐり~円覚寺/帰源院/東慶寺~釈宗演/福沢諭吉/夏目漱石
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鎌倉は
横浜から思いの他近く
古都を感じたくなると
ふいに出掛けられるほどの
小さな逍遥の地でもあります。

言わずと知れた
京都は清水寺の音羽の滝
綺麗な響きをもつこの滝の名は
背後の山々から沸き立つ清水
その流るる音が
鳥の羽音のように響きわたる
といった情感で詠まれた歌が語源のようですが
そう言った意味では、その名を離れて
鎌倉円覚寺は
音羽に包まれた森のような風情を
湛えた場所です。


*


臨済宗は円覚寺塔頭 帰源院に逗留し
釈宗演に参禅したと伝えられる漱石ですが

往時の様子は
彼の代表作”門”にそのまま
綴られていましたっけ。

ーー山門を入ると、左右には大きな杉があって
高く空を遮っているために
路が急に暗くなったーー

主人公 宗助は
其処で”風邪を意識する場合に似た
一種の寒気を催した”んでしたよね。

タイトルにされた”門”は
この時感じた
世間と境内との境界の門であり
その境に隔世の感を受けたようで。

この門が
一説に山門
或いは
山号の”瑞鹿山”の額が掲げられた
総門とも謂われておりますけれど。

小説のイメージに照らすなら
総門の方がしっくりはきます。

(私的には、立派すぎるあの山門より
さりげない雰囲気の
総門の佇まいを好ましく思っていまして^^)

IMG_9990.jpg

(確か藤村の”春”にも登場していましたよね)

作中には
”本来の面目”を尋ねられ甚く困惑した様子も
綴られています。

”本来の面目”
こちら、禅宗用語
自分の本当の姿、本当の心
を指すようですが、確かに
なかなか即答できる類の質問でもないようです。
ですが・・・そもそも坐禅って
苦悩から己を開放し、安らかなる心を得るためのものらしく
結果、
坐禅 事体
もっと言えば
ありとあらゆる言動その全てが
本来の面目であって
寧ろ、本来の面目でないものなどないといった立場のようです。
ですから、本来の面目は
探すものなどでなく
ありのままの私たちの姿を指すものでしょうか・・・・・。





※漱石が18年後に釈宗演(当時東慶寺)を再訪しているようですから
よほど思うところがあったということか、
実際、あの美しい東慶寺門前には夏目漱石参禅百年記念碑が建てられていますし
歴女でなく文学好きにもわくわくの鎌倉であります。

ここに登場する”釈 宗演”とは
(慶應義塾時代に福澤諭吉のバックアップを受けて渡米し)
シカゴ万国博覧会にて”禅”を”ZEN”として欧米に向けてレクチャーした人物なんですね。
その後、各国を巡遊し、インド経由で帰国された記録が残されていますけれど
セオドア・ルーズベルト大統領とも会見された上
日露戦争では従軍布教師も務められたという禅師であられます。
(国内でも広く政財界の他
この漱石、また徳富蘇峰主宰の
かの碧巌会の講師もなされたよう)




最後に
帰源院の片隅にひっそりと建つ漱石の句碑に
刻まれた文字を置いておきます。

ーー仏性は白き桔梗にこそあらめーー





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【 2018/02/12 07:59 】

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