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距離の確保~論理に呑まれないために~映画白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々
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ミュンヘン大学構内その片隅に置かれた銘板に
記された文字列
"Geschwister-Scholl-Platz"
("Professor-Huber-Platz")

他にも
Geschwister-Scholl -学校
Geschwister-Scholl -研究所
Geschwister-Scholl -賞
など”Geschwister-Scholl”を冠する名は
ドイツを歩けば随所で出会えます。

この”Geschwister-Scholl”とは
第二次世界大戦下、ミュンヘン大学在学中であった
ハンス・ショルと
その妹ゾフィー・ショルのことであり
此処には、彼らが命を賭して挑んだ(非暴力主義)反ナチス抵抗運動を
賞賛する意味で命名されたという経緯があります。

Die Weiße Rose
グループ名は
”ヴァイセ・ローゼ”
白薔薇。

参加していたのは
フランス侵攻東部戦線に従軍した
ドイツ陸軍の帰還兵であり
ポーランドのユダヤ人居住地区や東部戦線の惨状を
目のあたりにした
ミュンヘン大学学生
(そして後に処刑されたHuber教授ら)

ゲーテにシラー、ノヴァーリス
延いてはアリストテレスから老子に至るまでの
引用も含まれる抵抗ビラの文面。
(市民に広く行き渡るよう平易な言葉使いも印象的)
ナチスの歪んだ話法を見抜き
悪を暴こうとする彼らの心の叫びが
今日、読み返しても痛いほどに伝わって参りますが
こちら
連合国がドイツに降伏を呼びかける際にも
使われたと聞いています。

公開された尋問記録…
ビラ撒きの現行犯で逮捕されたショル兄妹が
仲間を庇い続け
あくまで2人だけで責任をとろうとした決意が
その供述内容に
ありありと残されています。

人間愛溢れる彼らの
真実を見極める透徹した眼差しがあったからこそ
生まれた勇気、その活動に対し

(人民法廷で)反逆罪として裁き
死刑判決を出したのは
ドイツの法律家
ローラント・フライスラー。

罪状は

ーー国民のための国家社会主義的生活の打倒
敗北主義の喧伝
国家の敵に利する行い
我国の防衛力を弱めんとしわが民族に対する裏切りーー

(三権が分立してこその
裁判であって
中立でないそれなど何の意味もないということ)

祖国、民族愛を楯にした
視野狭窄極まる判決理由。

著しい論理の歪みが見てとれ
その上で尚
ドイツ国民を熱狂させた
あの”話法”の恐ろしさをも改めて思います。

そもそも
こうした類のヒトラーの一連の論述に
真実を見失い、妄信した民衆たちの支持を得て
誕生したのがヒトラー政権だったんですよね。

ドイツ国民を
”火を見るよりも明らかな”狂気
に駆り立てたものは何だったのか。

時の社会問題、様々に下地はあったことでしょう。

しかし現代でも尚
論理に嵌り込んだ
たったひとつの僻見の書(或いは論)に
やみくもに影響を受け
狭い知見から盲従的理解に終始している様子を見かけることは
けして少なくないんですね。

相反するもの含め
客観視を妨げない距離を保ち
全体を見渡さなければ
そのバイアスは拭えないという現実に
どれだけのひとが
気付けているものでしょうか。



※2005年制作の映画に
“白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々”
がありましたけれど

(こちら90年代に明るみに出た
Geheime Staatspolizei調書を基に
制作されたもの)

ゲシュタポとゾフィー・ショルの緊迫したやり取りで
そのナチス”話法”に強い息苦しさを覚えるほどの
見事な再現シーンが展開されており
鑑賞者を引き込んで離さない構成になっていました。















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【 2018/03/09 12:51 】

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