FC2ブログ
ギリシア神話Ⅱ~ホメロス/叙事詩/オデュッセイア/オデュッセウス~啓蒙の弁証法
ギリシア神話の英雄であり
ホメロスの叙事詩”オデュッセイア”の主人公オデュッセウス。
イタカの領主であり、妻はペネロペ、息子はテレマコス。
トロイア遠征期、武力、腕力で戦う時代に
”智将”であったオデュッセウスは
かのトロイの木馬を策謀しアカイア勢を勝利に導いたことでも
知られています。

121123.jpg

オデュッセウスはトロイアでの勝利の後
ある事件から大洋の覇者ポセイドンの逆鱗に触れ
多事多難、波乱の運命に翻弄されることとなります。
セイレーンの歌声、スキラの牙、カリブディスの渦など様々な困難を
持ち前の智慧と機知で乗り切り乍、スケリア島に漂着します。
そしてこの島で
清らかで美しい王女ナウシカと邂逅するんですね。
純粋無垢な彼女の直向きな献身あってこそ
オデュッセウスは故郷イタカの地へと戻ることができたのです。
夫が長期不在となった留守宅を守り続けた妻ペネロペは
多くの猛者から求愛を受けながらもその一切を躱し
満身創痍で帰還した夫を暖かく迎え入れます。
その後
オデュッセウスは遠征の間に荒らされた領土を平定
此処で初めて
試練の連続であったオデュッセウスに
漸くの安息が訪れた・・・
というのが大まかなプロットです。


この物語で印象的なエピソードが
オデュッセウスと彼の命を救った若き姫
ナウシカとの悲恋です。

ーーどうかイタカの国へ帰られても
いつかまた私のことを思い出して下さいねーー

けなげなナウシカからオデュッセウスへの別れの言葉です。
深い想いと哀しみを秘めたメッセージに
知将オデュッセウスは次のように答えました。

ーー心広きアルキノオス王の王女
もしゼウス神が、私に故国の土を踏むこと許して下さるなら
私はいつまでも渝ることなくあなたを崇め続けます
命を救ってくれたこの恩は生涯忘れませんーー

にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
にほんブログ村

※こうしたオデュッセウスの貴種流離譚(映画様に言えばRoad movieとも)
”彼の知力で乗り越える長い困難の旅路”は
”オデュッセイ、オデュッセイア”という修辞で表現され
理性、巧智の代名詞のようにも使われてきました。
また一方では、啓蒙的にも扱われるので
(ホルクハイマーとアドルノの共著)”啓蒙の弁証法”でも検証されています。
確かに
英邁怜悧に過ぎることは
時に利己的に映ることもあるでしょう
大切なのはその言動の奥に
どれほどの思量があるかという処かもしれません。






関連記事
スポンサーサイト



テーマ:ことば - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/11/27 18:12 】

| 文学~小説/詩/名言 | コメント(8) | トラックバック(0) |
<<ギリシア神話Ⅲ~ホメロス/オデュッセイア~アイルランド/ジョイス/ユリシリーズ~善悪の彼岸/ニーチェ | ホーム | ギリシア神話Ⅰ~トロイア戦争/ヘレネ~イオルゴス・セフェリス/ノーベル文学賞~エーゲ海/シーラ/サントリーニ~オデッセアス・エリティス >>
コメント
--- イーグルス16 さま ---

ご訪問&コメントありがとうございます♪
> ラジオ漫画『明日は帰ろうオデッセイ』
ラジオ漫画っていうのがあるんですね
初めて知りました 。
タイトル最高です。
嵌ってますね(笑
> ペネロペの操に危機が迫るのも再々で、かならずお色気シーンがあって、布団の中でドキドキしながら聞いてた。
思わず微笑んでしまいました。
可愛らしいエピソードありがとうござます♪
saki * URL [編集] 【 2012/11/29 22:09 】
--- megu さま ---

> オデュッセウスはペネロペが
> 待っていることを忘れてしまうのでしょうか
どうでしょうね・・
きっと忘れてはいない・・?
だからこそ
ナウシカ(ア)とあのように別れたんですよね・・
いろいろありましたけれど
まあ神話の世界ですから・・(笑
> 神話の神々はエロスと残酷、エゴイステッィク
> な世界なんですかね
> でもとても面白い
そうですね~
同感です☆

saki * URL [編集] 【 2012/11/29 22:02 】
--- モックンモーガンフィールド さま ---

ご訪問&コメントありがとうございます♪
お忙しいのにメッセージ恐縮です。
どうかお身体大切になさって下さいね^^
saki * URL [編集] 【 2012/11/29 21:57 】
--- hirorinさま ---

ご訪問&コメントありがとうございます。
> 仕事でCG作成時、海面とか作成するのはできますが、
そのようなお仕事なさっていらっしゃる
そのことが美しいと思います。
> やはり、自然って奥深いんですね。
そうですね。
そして芸術も奥深いですよね・・・☆
saki * URL [編集] 【 2012/11/29 21:55 】
--- ラジオ漫画で聞いてた ---

子供の頃、と言っても中学生のころかなぁ。
民放ラジオ(局は忘れた)で‘オデュッセイア’の物語をやってて、毎週欠かさず聞いた。
確か、土曜の深夜だったと思う。

ラジオ漫画『明日は帰ろうオデッセイ』

ペネロペの操に危機が迫るのも再々で、かならずお色気シーンがあって、布団の中でドキドキしながら聞いてた。

記事を読んで思い出してしまいました。
イーグルス16 * URL [編集] 【 2012/11/29 10:14 】
--- No title ---

オデュッセウスはペネロペが
待っていることを忘れてしまうのでしょうか
ほかにも子供まで設けてしまうんですよね

その上ナウシカアと恋に落ちてしまうのですか

神話の神々はエロスと残酷、エゴイステッィク
な世界なんですかね

でもとても面白い
ぽち
megu * URL [編集] 【 2012/11/29 01:25 】
--- こんにちは ---

最近忙しくて、ほったらかし気味なのに、”アツイ”コメント恐縮です。
ワタシの方も、”ごっつええ感じ”の写真楽しみにしていますね。
モックンモーガンフィールド * URL [編集] 【 2012/11/28 20:30 】
--- No title ---

またお邪魔します。
美しい海ですね。
仕事でCG作成時、海面とか作成するのはできますが、
この写真のように波の泡って作成困難です。
やはり、自然って奥深いんですね。
hirorin2000 * URL [編集] 【 2012/11/28 12:39 】
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://saki2000.blog.fc2.com/tb.php/199-10f7ff36
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |