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オルハン・パムク/雪/白い城/静かな家/黒い書/ジュヴデッド氏と息子たち~イスタンブール~ノーベル賞作家~
ーー私は世界から遠いところで育ったーー

イスタンブールのノーベル賞作家
Orhan Pamuk

千数百冊に及ぶお父様の蔵書に埋もれて
幼少時代をすごしたと言う彼の
ノーベル賞の受賞演説、
深みのあるこの講演のタイトルは”父のトランク”でした。

処女作”ジュヴデッド氏と息子たち”で
オルハン・ケマル賞
次作”静かな家”でマダラル賞
続いて”白い城””黒い書”・・・etc.

ドストエフスキー、カフカに傾倒し
プルースト、モンテーニュの影響をも見て取れる,
正統派の作家
日本文学 谷崎、三島にも魅せられた経緯もあったとか。

こうした
現代のトルコ文学を代表するパムクの作品に
”雪”
があります。

130114.jpg


時は20世紀末
物語は
イスタンブールの左翼系新聞に執筆した記事により
ドイツ亡命を余儀なくされていた詩人のK(ケルム)が
母他界の知らせで12年振りに故郷の土を踏む処から始まります。
そこで再会した古い友人からの仕事の依頼で
トルコの北の街
アルメニアとの国境カルスへ向かうことに・・。
カルスは
ビザンツからセルジュクトルコ、モンゴル帝国
さらにオスマントルコ・・そしてロシアへと
時の支配者たちに翻弄された地方の田舎町です。

そしてこのカルスには
分離派テロリストのアジトがあるという噂があり
さらに
学生運動時代に出会った美しい同志がいる。


この辺境の町への道程は
刻々と


雪一色に変わってゆくんですね
空を舞う雪
音もなく降りしきる雪
吹き荒ぶ雪
その道のりを
十数時間かけ
エンジン音だけを響かせて進み行くバス。

辿りついたのは
典型的なロシア建築のホテル”カルバラス”
”雪の城”の意です。
経営していたのは、
あの
美しき同志 イペッキ。
ですが雪は日毎に勢いを増して
Kは、
白銀のカルスに閉じ込められることになる・・。

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”雪の密室”というメタファも在るなか(笑
夢中になって読み入ったOrhan Pamuk
真白に包まれたYOKOHAMAの瞬きに
胸に蘇ったのが作中のカルスの雪でした・・。

部屋に籠って読書をし続けたいとの動機のもと
イスタンブール工科大学の建築学科から
ジャーナリズム学科に移籍したという筆者らしく
911を超えてのトルコ情勢
イスラム過激派の動向にも触れられ
(ロマン的要素は淡く)
また
主人公の"K"は彼の作品に散見される
Kであり
こちらチェコ出身のドイツ語作家
カフカのイニシャルからでしょうか・・・。




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【 2013/01/14 16:36 】

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