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私的レ・ミゼラブル論Ⅰ~ユーゴー
ーー海よりも高遠なるものそれは空
     空より高遠なるもの
       それはひとの精神の深遠さであるーー

DSC_0688.jpg

ヴィクトル・ユーゴーの小説
”レ・ミゼラブル”からの言葉です。


こちらの作品
私たち社会人が
最も気を配らなければならないこと
それが
慈愛、慈恵、恩沢、篤志といった
博愛精神に基づく無償の行為であると
再認識させてくれる
”至高芸術”のひとつかと・・・。



極めて人道主義的であり乍
フランスの歴史を愛し
伝統を重んじる愛国主義者でもあったユーゴー
そんな彼の壮大な構想に
往時のフランス社会実相への鋭い洞察を加え
尚”心ある人間であればこそ陥りがちな”贖罪意識
それが全編に渡ってバロック音楽のBasso Continuo
そう通奏低音のように流れている作品
”レ・ミゼラブル”

独自の概念、文明的共和主義社会確立のために
生涯を賭し
フランスでは史上最大の
詩人のひとりとして
愛されたユーゴーの最期はパリ・・
国葬が営まれますが
本人の遺志により
貧困層用の質素な霊柩車で
凱旋門から埋葬先のパンテオンに送られたといいます。

”ヴァンドーム広場のコロヌに捧げるode”
ユーゴーの愛国心がよく伝わってくる
このオード
しかしここに謳われたモニュメントは
la Commune de Paris
パリ自治市議会の決議によって
倒壊させられてしまいます。

パリ・コミューンでバイブル的存在となったのは
他でもない自身の著作”レ・ミゼラブル”
でありながら
彼らのその破壊行動を
蛮行と断罪し
そこに欠けたるものが知性であり徳性であることを
誰より憂いていた人間
そのひとこそユーゴー本人であったという皮肉・・・

ーーフランスは精神でパリは教養である
   しかしフランス国民議会は精神を持たず
     パリコミューン議会は教養を持たないーー


結え、ユーゴーは
パリ・コミューンの哀しき革命をして
両者に非があると結論付けています。

無識は過ちを引き寄せるという
この作品の原意を汲むには
パリコミューン
(これもまた彼のよみ通り)貧しき構成員たちの
劣悪な住環境下では
理解に及ぶための教育を受けることは叶わなかったということなんですね

これ以上
哀しみの歴史を繰り返さないためにこそ
ユーゴーは万感の思いを込めて
冒頭の言葉を残したものであったにも関わらず・・・

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総ての子供たちに等しく
全うな教育を施すこと
それこそが
偉大なる思想家であり政治家でもあった
ユーゴー最後の願いでありました・・・





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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2013/03/06 12:58 】

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