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アンナ・カレーニナ/トルストイ~モーパッサン論/女の一生~ボヴァリー夫人/フロベール~レアリスム
Guardian Unlimited 誌上に見た
現代英米作家による
世界の小説BEST10投票結果、そこで
栄えある第1位を獲得していたのが
文豪レフ・トルストイの
”アンナ・カレーニナ”でした。

DSC_0097.jpg

文学界にあってはトーマス・マンの賛辞に”総てにおいて非の打ち処なし”
ドストエフスキーのそれは”芸術的完璧”
その理由としては
”アンナ・カレーニナ”は、あらゆる問題が正確に記されており
それが読み手に完全な満足を与えるのだ”とした
チェーホフの分析が適っているものでしょうか。
また”近代小説の教科書”と見做した志賀直哉を初めとして
この小説、紛れもなく近現代文学が目指す至高作品としてのひとつの顕れ
といった処でありましょう。

こちらは
19世紀ロシア貴族社会での恋愛(不倫)を縦糸に
結婚観、家族観だけでなく
政治・経済・戦争・革命・宗教・哲学から農業に至るまでの
多岐にわたる分野を横糸に織成されたものであり
この書物の扉には聖書からのフレーズ

ーー復讐は我にまかせよ、我は仇を返さんーー

その意図
主体の捉え方によって様々にも受け取れる
メッセージが
与えられています。

知性と気品と優雅さを兼ね備え
尚、美しく聡明なアンナは
完璧な女性・・・
な筈でした。

モーパッサン論のなかで
アンナと同じ貴族階級の女性を描いた"女の一生"に於いて
不実な相手に翻弄されながら
結婚生活を只管耐え抜く真摯なヒロインをして
ここの処をも
絶賛していたのは
他の誰でもなく
アンナ・カレーニナをこの世に送り出した
トルストイ
彼自身だったんですね

であるなら・・・

文学的美観に徹して譲らないトルストイにこそ
耐え抜くアンナを描いて欲しかった・・・
なんて
今更乍、叶わぬ夢ですが
それが私の胸に燻って(笑
消えることがないんです・・・。

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※基本のモチーフに
写実主義的手法
引いてはその結末ゆえ
”アンナ・カレーニナ”とくれば
想起されるのですがフロベールの”ボヴァリー夫人”

ですが
こうまで異なってくるのは
モーパッサンしかりで
所謂”トルストイ主義”以前に
ロシア文学なるものと
フランス文学なるそれとの
根源的差異と言って良いのかもしれません

ゆえに
そのタイトル通り
ボヴァリー夫人は徹頭徹尾”夫人”であり続け
一方アンナは
最初から最後まで”アンナ”であり
アンナとして人生に終止符を打ったんですね・・。

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【 2013/02/19 08:42 】

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