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デルフトの眺望/フェルメール~失われた時を求めてプルースト~マウリッツハイス美術館展
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トレ・ビュルガーの論文で一躍有名になったというフェルメールですが
かのプルーストもまた、1921年のフランス パリのオランダ絵画展で
この作品に邂逅し感銘を受けたひとりです。
そして彼は
当時執筆中だった長編小説”失われた時を求めて”に
”ベルゴットの死”としてこの絵画への想いを差し込んでいます。
小説中の言葉を借りれば、
(この企画展において他に居並ぶ絵画を)
”どれもこれも、ヴェネチアのある宮殿、いや海のほとりの単なる
一つの家を吹く風、照らす日光にも及ばない”
と、登場人物ベルゴットに酷評させるシーンがあります。
けれど、”デルフトの眺望”を前にした科白では

”フェルメールの絵の前に来た。
最後にほんの小さく出ている黄色い壁面のみごとなマチェール”
と、深いメッセージを読者に贈り付けています。
そして、プルーストはこの絵の前で
なんと
ベルゴットを死なせてしまうんです・・・。

登場人物をフェルメールの絵の前で息絶えさえることで
その作品への感動を伝えるプルースト。
彼が世界屈指の作家であることは異論のない処ですが
プルーストにそこまでさせた
フェルメールの天才振りが改めて伝わってくるエピソードでもあります。

東京都美術館で2012.9.17まで開催されるという
”マウリッツハイス美術館展オランダ・フランドル絵画の至宝”
には、残念ながらこの絵は来ていないようです。
けれどこの絵をして”永遠の夏の午後”と見立てたプルーストの思い入れが
痛いほど伝わってくる作品であります。

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テーマ:絵画 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/08/11 09:55 】

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