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孤独を愛する季節~哀しみは優しさになって・・・・・めぐり会えて良かった
ーー孤独が好きな人間なんていないさーー

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”ノルウェイの森”からのフレーズ
2006年にノーベル賞への登竜門とされる
フランツ・カフカ賞を受賞し
それからは毎年のように海外のブックメーカーが発表する
ノーベル文学賞の予想順位で上位を押さえてきた
村上春樹初期の作品

歴代のノーベル文学賞受賞作品を読み進めば
理想主義的、人道主義的要素に篤いという共通項が見出せる
故、その選考基準が
”文学性”よりも”政治性”に寄る傾向はなくもなかったと言えなくもない

春樹文学はそんな政治的カラーを排除した作風だったし
”名声”だとか”権威”だとかに一切の敬意を払わない
それは
私がハルキを読み始めた切っ掛けでもあった。

明治時代に透谷が、学問のための文章でなく
”美”に重きを置いた文学作品として
定義したという 所謂”純文学”
その海で泳ぐなかで
ふいに出会ったハルキの世界観
ジャンルに捉われない自由さが新鮮だった。

そんな彼の”ノルウェイの森”
読んだのは
作中の主人公と同年代の頃
サクサク読める文体が楽で

そして
それから何年も経って
殆ど忘れかけた頃に
この作品は私を支えてくれた

多様な解釈を許すそれは
クオリティの高さを示す基準のひとつであると
実感した瞬間でもあった。

そのひととでなければ
一生
孤独のなかに居たい
そう思うこと
誰しもあるに決まってる

反駁に似た想いもあったし
実際
そのように
考える日々がきた。

目的もなく
あてもなく
ただ
あの場所を歩きたい
その一心で
ひとり
出掛けたのは
街がクリスマス色に染まり始めた
そう
ちょうど
こんな季節だった

航空券は意外とすんなり手に入った
そして
私は
輪の外側に出た



丘に向かうあの小路を
ただ
歩いた

来る日も
来る日も・・・。

疲れたら
カフェで休んで
そして
また歩いた
美術館も
図書館も
どんな建築物も
私の興味を惹かなかった

近付いてくるひとの声は
ゆっくりと私の頭上を通り越して
冷えた空気に溶けて消えた

私のこころに寄り添ってくれたもの
それは
石畳に並ぶ
古い家の佇まいと
傾いた陽光が届けてくれる
長い影
そして
藍とえんじが混ざり合う
泣きたいくらいに美しい空色・・・

それを支えるように
凛と並ぶ冬木立。

他にはなにも
必要ないように思えた

そんな日々だったけれど

たぶん
生きてきた時間の中で
いちばん
生を実感できて

痛いくらい研ぎ澄まされた
深い瞬間(とき)だった
ように思う・・・

だから
今なら
心から
愛しく思える

あの季節が
今の私を創ってる
そんな
シンプルな事実に
気付けたのは
そんなに昔の事ではなくて・・・。





ーーどのような真理をもってしても
愛するものを亡くした
哀しみを癒すことはできないのだ
どのような真理も、どのような誠実さも、
どのような強さも、どのような優しさも、
その哀しみを癒すことはできないのだ。
我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、
そしてその学びとった何かも、
次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだーー


あの時
コートのポケットに突っ込んでいたのは
古い文庫本なんかじゃなくて

握りしめていたのは
この言葉
・・・。

私は
共感のチカラを知った

そして
そこから
学んだもの

癒すものは
やはり
世界のどこかに
必ず
存在するのだということ。

哀しみは
”生”を鮮やかに彩る
優しさ
に廻り逢わせてくれる
ということ。

毎日が
こんなにも
暖かで
こんなにも
心充たされるものになるのだ
ということ。


哀しみのとなりには
いつのときも
絶えることなく
こころの豊かさを失わない
優しみが息衝いている
ということ・・。


















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テーマ:芸術・心・癒し - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2013/12/12 09:53 】

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