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ランボー詩集を紐解くあなたに・・・
水平線から光の帯を紡ぎ出す水面に
大地と空との境界その遙かなる地平に
そして
私たちの暮らしの屋根屋根の先に
落ちてゆく
燃える陽の煌めき。

その光が
辺り一面をオレンジに染め上げながら
暮れなずむ空の蒼と
紫色を帯びた美しいブルーグラデーションを描き出す時。

明日になれば必ず昇る太陽を
私たちはつい
惜しみ
そして懐かしむんですね。

それは巡るセゾン
行く夏
秋への移ろいとて同じこと。

ランボウとの出会いは
こうした季節の透間
そして
時の狭間
トゥワイライトタイム
マジックアワー
その繊細な時季にありました。

——それにしても、何故、ひとは永遠の太陽を惜しむのかーー


このごく短いフレーズに始まる
ランボウの詩”別れ”が
あのとき
なぜ
あんなにも
胸に沁みたのか・・・。

言葉のインテンシティのもつ
秘めたるチカラ
それは
巍然なる絵画、彫刻、音楽らから
私たちが受け取るエネルギーにも似て
ひとたびそれに捉えられたら
次の瞬間その芸術の虜となる・・・

そう
詩集の扉をひらいたなら
そこには
確かな
ある別の
世界観が広がり
それに魅せられ
すっかり
その空間の住人になってしまう・・・。

そして
”詩人が批評眼をその内にもたないことはありえない”
ボードレールの残したこのメッセージが
大きな意味をもって迫ってくるんですね。

ーー俺は夢みた、十字軍、話にも聞かぬ探検旅行、歴史を持たぬ共和国
    息づまる宗教戦争、風俗の革命、移動する種族と大陸・・・ーー

20歳でパリ詩壇を下り
アフリカ、アラビアで商社マンとして新たな人生を踏み出した彼

時にコーヒー交易商
時に砂漠と荒野の武器商人
時に探検家

ラクダ100頭のキャラバンを組んで
2000丁の小銃と
60000個の弾薬筒を
ハイレ・セラシエ皇帝の父デジャッチ・マコンネン総督の従兄弟
メネリック王に売り付けようとしたランボー

けれど
彼はあらゆる危険地帯に身を置きながらも
現実に怯むことなく
尚、書くことを止めなかった
但し、詩ではなく
書簡形式に変えて。

それは
多分
研ぎ澄まされた精神を与えられた者にとっての
あるべき感受性の発露であったから・・

彼が残した夥しい数の手紙
そのうちからの一通
1885/9/28の刻印がある文献には
こんな記述

ーーここには木は一本もなく、枯れ木さえなく、草一本なく                   
土ひとかけらなく、真水一滴ありません。
アデンは死火山の噴火口で、底には海の砂がつまっています。
周辺はまったく不毛な砂の荒地です。
しかもここでは、噴火口の内壁が風の吹き込むのを妨げるので、
われわれはこの穴の底で、まるで石灰の炉に入れられたように焼かれるのです。
こんな地獄で人に使われるとは、よほどパンのために働くことを強いられたにちがいありませんーー


文学的カテゴリは変わっても
ランボーのテクストであることに
何ら変わりはない
そのバリデーションになっているのは
行間から溢れくるランボー固有の情調。

そもそも彼の代表作とされる”地獄の季節”は
ヴェルレーヌに宛た手紙でありましたし
”イリュミナシオン”はヌヴォーに向けたそれでした。

ランボーが持ったブルーの瞳が放つ
哀しみを含んだあのセンシビリティ
それは彼の命
最期のときまで失われることはなかったんですね
生涯を通じて
”自身の魂を探索し、綿密に検査し、それを誘惑し学び続けた”ランボー
だからこそ
翫味し尽くしたい世界
となるものでしょうか・・・。

20140108.jpg
科学の世界でDeterminationを以て専心せられる素敵なあなたへ

























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テーマ:芸術・心・癒し - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2014/01/08 17:10 】

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