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旅の記憶/色彩に誘われて 断章Ⅲ~イタリアの赤/ポンペイ壁画/フィレンツェ/ボッティチェリ
イタリアの赤

ヴァチカン美術館を廻るなか
時折現れる赤に、
ハッとさせられた作品が脳裏を去来してもいるのだけれど・・・
ココはやはり
Villa dei Misteriに残された壁画

(この地では、栄光に捉われず自ら信じるものを描いたと云うシャバンヌ
彼のメッセージ性を併せ持つ空間表現をも想った瞬間もあって・・)

PAP_0372_20140208152839416.jpg

ーーConsiglio Nazionale delle RIcercheの
研究報告が紙上に掲載されたのは此処を訪れたその日から
僅か数ヶ月後の秋のことだったーー

ナポリ海岸が擁すヴェスヴィオのシルエットに抱かれながら
豊かな陽の光とその陰翳だけが彩りとなるような
ベージュの街
古代都市ポンペイ

城壁を越え
左手に火山を眺めながら
続く秘儀荘への道
海を背に立つ
迷路のような回廊の一区画に
当然立ち現われるフレスコ画
場違いなほどの
華やかな赤色が私達を魅了する

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世に謂うポンペイの赤だ
(フレスコ)壁画と云えば淡い(シャバンヌしかり)色彩
フィレンツエの大聖堂に見る
ジョットの赤も
そのパステル感ゆえ崇高な理念が漂っていた
一方でポンペイの赤は
その鮮やかさも然ることながら
2000年の歴史その重み故か
一層の鮮烈さを観る者に与えるようだ
こちらローマ神話ではバッカスにあたる
ギリシア神話の登場人物ディオニュソスへの信仰が描かれたもので
人物はほぼ等身大スケール
そしてその背景色に赤が施されているのだ
なんとも
神秘的で妖艶な美を放っていて
私のイタリアイメージ
その要となる色彩となった

それから間もなく
イタリア学術会は色彩会議場において
この赤は
変色したものであって実は黄だったと
要因は、ヴェスビオ火山噴火に伴う高温と流出ガスの影響
との研究報告を成し
その検証に目を通すなら
そこにはもう
否定しようもない裏付けが詳細に記されていた。

そうなると
あのフレスコ画の印象は
随分と違ったものになってくる

色彩のチカラって
凄いナ
なんて
改めて感じさせられたできごとでもあった。

そう・・
イタリアと云えば赤で、
この”ポンぺイの赤”は
フェラーリの赤やヴァレンティーノの赤に
少なからず
華を添えていたようにも思っていたから(笑

それでもやはり
イタリアは赤・・・
フィレンツェはウフィツィ美術館で邂逅したそれ

ボッティチェリの描くマリアは
そのすべてに赤を纏わせているようだが
画集ではさほど感じなかったものが
対峙してみると
まさに果てなき天上の愛の象徴
そんな色彩
というより
たぶん私が
好きなだけかもしれない^^

取り分け,ポリティアーノの詩に、古代ギリシャのアフロディーテ讃歌から
インスピレーションを得て描かれたという
ヴィーナスの誕生に魅かれた

プラトンアカデミーそのメンバーのひとりだったという
ボッティチェリならではの世界観
文芸(ダンテ)を愛し尽くした
彼でなくば描出できない
そう思わせる独特のオーラ
泡から生まれたヴィーナスが
貝の船でオレンジの樹々豊かな愛の島シテーレ島に辿りつく場面だ
迎える妖精の手にある
(雛菊、サクラソウ、矢車菊など春の花々その刺繍が施された)赤のローブ。

そして、もうひとつ
”プリマヴェーラ”

ゼフュロスがフローラに花園を与えるという
春の到来を描き出した作品

理想的人間像を描いたと評されるほどに
優しくも儚げ
憂いを含む地上のヴィーナス
その佇まい・・・

そんな彼女の纏う中央の赤
(”剛毅”の赤の存在感にも似て)

15世紀末フィレンツェの暗黒をよく潜り抜けたものだと
まずそこに感動してしてしまうのだけれど
それだけにイタリアの至宝でもある訳で。

ルーブルがモナリザに世界を旅させるのとは対照的に
ウフィツィにゆかねば邂逅できないというこの作品故の
より一層の思い入れもどこかにあったものかもしれない・・

そうした旅の途中の
極々小さな呟きは
私にとっては掛け替えのない時間で
それは、時を経て様々な体験と共鳴しながら
私の体内で融合する
そして時間をかけて醸造され
やがて生きるエネルギーに変ってきているそのことに
気付いてから
どれほどの月日が流れただろうか。

********************************************

先に綴ったフィレンツェは
ボッティチェリの街と謂われたけれど
あなたが仰られるのは
対する”ヴェネツィア派”ですね・・。
あぁ、ダンテの詩から
”星々を率いる太陽”と呼ばれた巨匠
ティツィアーノらの世界観が
私もほんの少し垣間見えるようです。

聖母マリアの纏う赤(と青)
ベネティアンガラスの地ですものね
色彩には相当の拘りがあったものでしょう
下地が褐色というそのことは
同時代のフランドルの画家
ファン・アイクの赤の耀きその技法とは
寧ろ真逆ともいえるものでしたでしょうか

色彩で絵画を想うなら
フェルメール、ゴッホ・・・
この手の話題になると
収拾がつかなくなって困りますが
こうして
想いを巡らすのはほんとうに楽しいでもので
いつも優しくお付き合い下さることに
心から感謝しています。

































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テーマ:art・芸術・美術 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2014/02/09 16:15 】

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