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旅の記憶/色彩に誘われて 断章Ⅵ~アンダルシア/コスタ・デル・ソルの街 想い出のミハス
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待ち合わせをした噴水は
僅かだけれど絶え間なく水が溢れていた

あの日も
あなたは先に来ていて

それでも
今来たばかりだよって

いつもと同じように笑ってた

そんなあなたの手には
オルテガのテキスト

その扉には
見慣れた少し癖のある文字で

真の哲学者は生まれながらの
根源的直観をもっている

そんな意味合いの
ちょっとたどたどしいスペイン語

言葉には出さなかったけれど
あなたにもそれがあると
私はずっと思ってた。

こんなことになるなら
あの時伝えておけば良かった
そう悔やんでは
胸が痛くなり
涙が溢れそうになって困る

こういうのを
思い出し泣き
なんていうのかな

な訳ないか
そんな言葉あるわけないし。

哲学が思考の解放となること
最高の精神がどれほど豊かなものであるか
そんな
オルテガの論旨にふれながら
ふたりでこの坂を登って・・・
海の見える
あのレストランカフェでワイングラス傾けたよね

夕食にはまだ時間が早くて
私たちふたり
貸し切り状態だったね

白壁に
窓辺に
階段に
石畳に
テーブルに
至る処にテラコッタ
其処には
赤い花が咲き誇ってた

ジブラルタル海峡を見下ろす
なだらかな丘陵地帯
陽の光に映える
美しい街
ミハスの想い出。

アンダルシアのコスタ・デル・ソル
テラスから見える海は
絵にかいたようなマリンブルー

このジブラルタル海峡を挟んで
其の向こうはアフリカ
モロッコだ
カサブランカは
世界一綺麗な街だよ
今度はふたりでゆくんだよって
それがあなたの口癖だった

講義を聴くときのあの真剣な横顔
それとは別人みたいに
ああして
ぶっきらぼうに
長い足を前に投げ出して
前髪を掻きあげながら
少し照れたように
話すあなたが好きだった

学内でのあなたの語りは
とても大人びていて
いつのときも明晰
客観的で
他者に寛容
結え、あなたの言葉は
しなやかに私の心に入り込んできた
ひとを説得するに充分すぎるほどの論拠があるのだ

私の眼差しは
あなたの瞳だけを
見詰めてた

まっすぐに。

この街は
あの日と
何も変わってない
地中海の海色を映す明度の高い空も
所々にアイボリーの土を混ぜた丘陵のオリーブ畑も
石造りの教会インマクラダ・コンセプシオンも
可愛らしい牛の看板が掛けられた小さな闘牛場も
レモンイエローのぽってりしたポストも
カラフルなワゴンで売ってたアーモンドな焼き菓子の美味しさも
そして


私のこころも・・・
何も変わっていない

このローマの城壁なんか
何千年もそのまんまなのに

なぜ
あなただけが
この世界に存在しないのだろう・・・





どんなに考えたって
私にはそれが解らない
どうしたって
解からない

理解力なくて
ごめんなさい。











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この記事を綴ったあと
blogを通じた大切なお仲間のひとり
GOMAさまのNewOrderを訪れた
其処にはこんなメッセージ

ー「いないこと」で出来る場所は、純化した想いの結晶の際立つ空間となるー

こうした言葉を引き出すことのできる
彼の精神の豊かさに打たれた・・・。
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テーマ:ヨーロッパ - ジャンル:海外情報

【 2014/02/13 19:02 】

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