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ウィトゲンシュタインさま


資本主義のブルジョア的文明観に厭き厭きしていた
西欧の知識人たちがこぞって革命後のロシアに
淡い希望を求めて訪問していたころ・・・

穏健派の社会主義者であったラッセルが
”ロシア社会主義論”に著した見解が象徴していたが如く
自由のないロシアと彼らの最終目標に
プラトンの理想主義的国家像を重ね合わせ
同じ不可能性を感じ取ってしまう
そして不幸にもそれは
的中していたということになるんですよね。

往時そのひとりであられたあなたは
初めから
他の知識人たちとは一線を画し
そのイズムでなく
”トルストイ”
彼のあのストイックな文脈に
惹かれて
大学教授の職を自ら辞し
敢えて農場での労働を選んだ・・・。

ウィーン生まれのあなたの
その当家がHigh culture的環境
ハイネにメンデルスゾーン、ワルター
マーラーやブラームスにカザルス
(延いてはラヴェルやリヒャルト・シュトラウス、プロコフィエフらがあなたのお兄様のために
作曲してもいらっしゃいました。)
さらにはロダン、クリムトまで
恰も20世紀芸術の縮図のような仲間たちの社交場に
そして
哲学者であられるのに
簡潔にして明瞭、実に端的に結論だけを記述するタイプのあなたは
同系のハイデガーとは少し趣を異にしてらして
その文体のさわやかさに魅了されてもいました。

少しも倫理を語らないのに
誰より倫理観を感じさせるところから
あなたがあのとき
ただ純粋にタゴールの詩に共感してらしたのだということが
痛いほどに伝わってきて参りました。

あなたを終生敬愛して止まなかったケインズは
そんなあなたの深層にも思いを寄せていたのかもしれませんね

ブラームスをこよなく愛し
唯一ショーペンハウエルを入り口に
英国ケンブリッジ大学の哲学教授に席を置きながら
頑なにドイツ語で執筆し続けたあなた
ウィーン学団からも信頼を寄せられる
論理立証主義的な側面も併せ持つ

その後
寂寥的断崖の続くアイルランドの海岸で
自然を愛でながらのあなたの研究
哲学の実践を言語ゲームと捉え
古典的言語学からも
所謂前期とされるご自身からも
距離を置いたメタ哲学
達観にも似た精神のtherapistを目指されたんですね。

ーー永遠なる時の中で
世界を直観することは
境界ある世界を
全体として直観することなのだ
ーー

一読して
訳のわからないような(スミマセン)
抽象的表現にも拘らず
そこを通過したら最後
時に忘れられない不思議な磁力を放つ
あなたの言葉たちは

今日も私の体内で
静かな時を刻んでいます・・。












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テーマ:哲学/倫理学 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2014/07/19 10:09 】

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