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豊饒の海/月の海~春の雪/清顕~映画 11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち~東大全共闘
Moon


少し前に
若松孝二監督の映画”11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち”を見てきました。

極めて理性的かつ知的
であるにも関わらずたおやか,繊麗さを秘めており
伝統的な日本語を自在に使いこなした三島の美しい文章が好きでした・・。

三島氏には生きていてほしかった
年を重ねた彼の作品に触れたかった
読めば読むほどにそう思わずにはいられませんでした。

youtubeで見た、東大900番教室での全共闘の学生C等とのやり取り・・
三島のこだわり
精一杯背伸びをしているのが痛いほどに伝わってくる学生たちを相手に
三島の口調は、穏やかで終始冷静・・。
本を漁り乍、彼との距離が少しづつ狭まってゆくにつれ
垣間見えてくる硬質な三島哲学
そして透徹した美学・・。
すると
今度はその死が避けられないものだったという事を
否応なく納得させられてしまう
それはそれでまた哀しみが増す・・。

遺作となった”豊饒の海”は月の海のひとつ 豊の海のことで
ラテン語で”Mare Foecunditatis”
その日本語訳なんですよね・・。
またこの作品には”月”が
バロック音楽の通奏低音のように投影され
三島ワールドが構築されています。

”春の雪”を舞台に、一途に想い続ける純粋な清顕から
燃えるような烈しい魂をもつ”奔馬”の勲
彼らは、夢と転生のイメージから創られたと語る
三島の後述と重なりますが
”暁の寺”を経ての”天人五衰”達観の境地へ導かれたその章、
そして彼の選んだ結末の海は・・・
やはり月の海でした。
私は聡子が本当に清顕を忘れてしまったとは解釈していません。
というかできません。
けれど
それでもそこは
月の海、水のない世界だったように思います・・。

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※キャスト:井浦新/満島真之介/岩間天嗣/永岡佑/鈴之助/渋川清彦/大西信満/地曵豪/タモト清嵐/寺島しのぶ



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テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2012/09/04 01:01 】

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コメント
--- はなはなさま ---

ご訪問&コメントありがとうございます♪
>彼の最後の四部作を買い求め読んだのを思い出しました。ハードカバーで、学生の自分には、大出費でした。
ハードカバーですか・・宝物ですよね学生時代に愛読した書物たち。
>もう一度、読んでみようか、あの美しい文体を。
そうなんですね、年を重ねて読むとまた違った感動があったりするんですよね♪♪♪

saki * URL [編集] 【 2012/11/19 19:58 】
--- 市ヶ谷駐屯地は、良く憶えています。 ---

学生の時に、彼の最後の四部作を買い求め読んだのを思い出しました。ハードカバーで、学生の自分には、大出費でした。あのじだい、北杜夫、遠藤周作さんと同じ時代だとおもいます。それぞれの文章の中に、それぞれも想いを学生さんは、感じました。もう一度、読んでみようか、あの美しい文体を。
はなはな * URL [編集] 【 2012/11/19 04:36 】
--- ”ディオゲネスの犬”さま ---

コメントありがとうございます。
”ディオゲネスの犬”さまのメッセージを拝見していましたら
また”豊饒の海”が読みたくなりました。
科白の引用は、胸に来ますね・・・。

学生時代の数年間が最も純粋に三島文学に惹かれていた頃で
講義のテキストの内側に文庫の金閣寺や豊饒の海を挿んで読んでいたことが懐かしいです^^

『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』ですが
私が描いている三島像と映画のそれとは、
やはり違いました。
けれどエンンディングロールバックを見送りながら
観てよかったと思えた作品でした。
文芸作品や実在した人物がテーマになった作品は
寧ろそれを手掛けた監督が、対象をどのように解釈しているかにも興味がありまして
自分の目線と大きく違えばそれがまた面白いナって思えたり・・
それだけでも私は結構楽しめる方で
強い信念がなくキャパは広めな分、私の感想は参考にならないのかもしれません。
スミマセン・・。
saki * URL [編集] 【 2012/09/04 18:02 】
--- 「又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」 ---

『豊饒の海』には忘れられないシーンがいくつかあって、第一巻『春の雪』では松枝清顕が本多繁邦に「又、会うぜ。きっと会う。滝の下で」と言うところ。あれはどきっとしますね。以後、本多は「観察者」として清顕から始まる「輪廻転生」を目撃することになるわけですけども、本多の役回りというのはちょっとしんどいですね。観察対象はどんどん自分の前から消えていっちゃうのに自分だけは生き残って年老いていく。
『奔馬』の飯沼勲が右翼の大物だかに本懐を尋ねられて、「太陽の、・・・日の出の断崖の上で、昇る日輪を拝しながら、・・・かがやく海を見下ろしながら、けだかい松の木の根方で、・・・自刃することです」と答えるシーン。あそこなどは鳥肌が立ちました。それと、飯沼勲が割腹するところ。「正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏に赫尖と昇った」。そして、なんと言っても最後の数行ですよね、うなってしまうのは。「この庭には何もない。記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまったと本多は思った。庭は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしている」。

ところで、『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』はどうでしたか? 気になってはいるんですがまだ見てないんですよ、実は。三島役の俳優も気になってるんですけどね。
ディオゲネスの犬 * URL [編集] 【 2012/09/04 06:19 】
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