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メトロポリスからクラフトワークへ


古代都市とディストピアを繋いでくれたあなたへ

学生時代、恩師のバースデーパーティに
訪問させて戴いた際のことでした。

そろそろ失礼しなければと思い始めた矢先
壁一面の書棚の片隅に
背表紙”Metropolis”の文字が目にとまったんです。
私はアレクサンドリアやダマスカスのような
古代ギリシア都市関係の本かと
そのペーパーバックを手に・・・。

ですが
思いも付かないような
書き出しで始まるその展開に
止まらなくなって(笑

そんな私を見て友人のひとりが
それが20世紀初めの
モノクロサイレントムービーの
ノベライズ的小説であること、
また、その映画は現代にしても
SFのバイブルとも云うべき名画であるということ、
その作品があるご夫妻の共同制作であったということ、
この書籍がその奥様名義で出版されたことなど
を丁寧に教えてくれました。
そして後に、奥様はナチスに傾倒し
ユダヤ人であった御主人と
袂を分ったという逸話まで・・・。

確かに時は
1920年代、ヴァイマル共和政の時代なんですね。
この作品は
イデオロギー問題(共産主義と民主主義の対立)も
軸となっていて
新感覚な社会派傾向を感じさせもします。
ですので、奥様が純粋さを含んだ発足当初の思想に
傾倒していったのは解からなくもありません。
ですがその先を考えると
ご主人がユダヤ人であったという事実
そのことのほうが衝撃的で・・・
この映画の存在は忘れる事ができないでいました。

また
サイレントムービーのもつ意味

音に溢れるこの時代に在って
音のない世界には
静謐に耳を澄ませる
原始への憧憬のようなものさえあります。
そして尚、
色彩を排したモノクロームの世界観・・・

ですのに
或る日
カーステレオから
クラフトワークなるテクノミュージックグループが
かつてのこの映画をモチーフに作曲したという
同名タイトルの楽曲が流れてきて
あの時のイメージが
ここで
ひとつに重なり合っていったこと
時を超えた融合
その不思議な感覚は
稀有の経験だったと思っています。











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【 2015/01/24 11:03 】

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