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未完成の美しさ~バッハ/フーガの技法/2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043/平均律/ゴルトベルク
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先の記事で触れた
バッハのゴルトベルク変奏曲
ゴルトベルク変奏曲と謂えば
やはり
グールド。

その1981年版
作曲家の視点で掘り下げて行く
彼の音楽人生まで織り込まれているかのような
観照性の高い演奏と申しますか
静思的、深思的、潜考的
メディテーションに溢れています。

第一変奏に掛かるあたりで
自身の胸の高鳴りを
はっきりと感じとれるほど・・・
訳もなく涙が毀れそうになる
あの魅力。

彼の演奏って
流れる様な美しさを目指す
所謂、ピアニスト的演奏ではないんですね。
そう、曲構成をすべて感得したその上で
創り手のバッハすら気付きえない
一見してスコアからは読みとれない
メロディラインが
紡ぎ出されてもいるようで・・・。
(グールドの1955年版は速いですね
しかも曲の途中でテンポがさらに加速する(笑
若き躍動感溢るる
それは見事な演奏には違いありませんが
成熟した、晩年の演奏が立ち上げる
あの高みには届かないよう・・・。)

バッハにはこの曲と同じコード進行の
シャコンヌがあるんですけれど
いつも想起させられます・・・。

そして
荘厳な”音のタペストリー”的作品
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043”。
これを聴いて私は
バッハに
恋をしたんです(笑

すると
彼の最晩年の曲
”フーガの技法( Die Kunst der Fuge)”
オープンスコアに楽器指定もないこの作品
未完成ですが
こちらもまた
シンプルな主題が
崇高へと飛翔するようなスタイルです。

演奏家たちは
それをスコア通りに演奏されますから
当然ながら
突然
音が消える・・・

瞳を閉じて聴き入ってると
その瞬間
息が止まります。
そして
時間も止まる・・・

私は未だかつて
あれ以上の
深い沈黙を知りません。

幾度聴きなおしても
同じで
その静寂から
永遠に
いざなわれるような
不思議な感覚を覚えるのです。

バッハが
まさか
計算したのでは
なんて感じさせるほどの
”永遠”が浮かび上がります。
(曲構成を眺めればそれはなさそうですが・・・
それでも意図を感じてなりません。)

音符が失われるのは
BACHの音が対位主題に
持ち込まれたポイント
そこが
バッハが視力を失った瞬間ともされているのですが・・・
音楽的に一度死んで
まもなく旅立ったバッハは
その後忘れ去られ
二度死す。
そして再び
息を吹き込んだのが、
例えば
サン・サーンス
例えば
メンデルスゾーン
例えば
グールドだったんですね・・・。

どんなに偉大な作品であっても
いつの時代も
それを引き継ぐ感性と
素晴らしき演奏技術が
求められるということでしょうか。

バッハは同時代の
ビヴァルディやヘンデル、スカルラッティらに比して
華やかさに捉われず
只管
至高に向けて
敬虔に曲を紡ぎ出して行った作曲家といった
印象が個人的にはあります。 

ベートーヴェンやモーツアルトらを見渡しても
さらにその上をゆく
普遍性を感じてしまうというか。

ーすべての偉大なる物は極めてシンプルであるー

やはり
此処に行き着いてしまうようです・・・。





























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テーマ:音楽 - ジャンル:学問・文化・芸術

【 2015/02/08 05:38 】

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