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映画 Love Letter~プルースト/失われた時を求めて~図書のなかで
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円環的時間を描き出した
プルーストの”失われし時を求めて”

時間軸に沿って並んでいるようにみえる出来事に対し
感情は時系列に積ってゆくような種のものではないんですね。

それは
システム内に
いつくものフィードバックループが存在している
ということもあるでしょうし
気付きや
新たな発見
そして
新たなる認識などが
複雑に交錯して共振してくるんですね。


         *


映画”Love Letter"は
細部と謂うより
音楽を含めて作品が立ち昇らせる質感が
とても印象的な作品です
詩情が
想いが
胸のここまで
毀れて
溢れるくるような・・・。



舞台は北国
そして神戸の
ニ都物語的。
 
見渡す限り
雪に覆われた地方都市
とある丘の上で、瞳を閉じ
息を止めて
仰向けに横たわる女性

そして立ち上がって
音もなく坂を下り
麓の小さなお家に入ってゆくまでを
カメラが1カットで追う
ここで
そのすべてを伝えてくれるかのような
素敵な長まわしでした・・・。

物語の核心は
かつて通った中学校の図書室に。

概して
図書館は
古書店もそうですが
失われた時間と出会える場所。

通常であれば出会えない筈のひとと出会え
届かない筈の想いが届く
その象徴的空間かな
なんて思ってもみます。

大きな状況の変化がなくとも
哀しみを乗り越え
再生を促す
そんなカタルシスを与える構造を持たせた作品
所謂、名作とされるなかには多いように思います。

愛する人を失った者は
その理不尽さに
苦しみ続ける訳ですから・・。

私は彼を忘れない。
だから、あなたも彼のことを忘れないで
って
もらった手紙のすべてを
”樹”に送るんですね・・・
けれど
”樹”はもう
忘れる訳が
否、忘れられる訳が
ないんですね。

図書室の貸し出しカードという名を借りた
(想いを伝えるツール)”Love Letter”に
気付かされる
美しくも秀逸なラストシーン

言葉に出来ないから
しないからこそ
伝わるものって
確かに
あるんですね。

ピュアにも繊細な精神性が
見事に映像化され
日本の古くからの美意識を貫いた本作
岩井俊二監督作品で
いちばん好きな映画です。





どこかで読んだ本の科白が
聴こえる

ーいくつの海を越えたら、白い鳩は砂地で安らげるのか
                その答えは風に吹かれているー













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【 2015/04/26 08:34 】

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